オートモーティブワールド13に、EV用無線給電システム『Qualcomm Halo』を出品したクアルコム。クアルコムジャパンの前田修作氏は「2015年中ぐらいに、こういったものが市販されることが、皆さん(EV業界関係者)の目標になりつつあります」との見通しを述べた。
前田氏は「(充電効率など技術は)技術的には実証実験で使えるレベルになっていますので、今我々が取り組んでいるのは標準作りと基準作りです」と、無線給電システムでは強力な電磁波が出るため、人体や電子機器への影響を考慮して、異物を検出した場合にはシステムを止めるなど、安全基準や安全システムを作り込む必要があるという。
加えて「一番重要なのが標準作りで、インフラにおいては、どのメーカーの車がきても充電が出来るといった、通信の世界では当然なのですが、相互接続性を決めなければならないんです。その標準作りも日本だけでなくグローバルスタンダードとして成立しないと結局コストダウンもできないので、技術開発と合わせて標準作りの活動も平行してやっています」と話した。
クアルコムの提案に対する各自動車メーカーの反応について、前田氏は「こういうものが必要だろうというのは、ほとんどの自動車メーカー、特にEVを積極的に展開するメーカーさんは認識していて、既にいろいろな技術を評価しています。我々もそういったところで提案してますが、ある会社さんは“ここでやります”と発表されているし、ある会社さんは標準化とか基準作りをにらんで“もっといい技術にして使いたい”というところもあります。各社さん捉え方には若干差があるように思います」と現状を語った。