520日間の火星環境シミュレーション マーズ500、腎臓や睡眠への影響を確認

宇宙 科学
擬似火星表面歩行
擬似火星表面歩行 全 6 枚 拡大写真

欧州宇宙機関(ESA)は2013年1月16日、520日の長期に渡った火星環境シミュレーション、マーズ500がもたらした研究結果を公表した。

マーズ500は6人の火星飛行士をモスクワ近郊にある模擬訓練用宇宙船に集めて行なった。火星への往復飛行にかかる日数に表面を探検する30日を足した520日間居住させるもの。このシミュレーションの間、乗組員達は孤立した環境の中で食事や日光、空気が制限された生活を送る。

参加者は、日の入りなどによる外部から就寝時間の手掛かりを得ることができない。その代わりに時計をチェックしたり、仲間の乗組員に起こしてもらったりという人工的なきっかけによって睡眠のパターンをつくる。

ESAの科学者達は、安眠に関する問題に注目している。ESAの宇宙飛行士、ルカ・パルミターノは今年予定されている国際宇宙ステーションでの6か月の滞在中に、ホルモンと睡眠の関係を測定することになっている。

その他の発見のひとつとして、人間の体は安定した塩分の吸収・処理をしなくなることが分かった。火星飛行士達の日常の食事が厳格にコントロールされていることから、調査員達は1日ごとに摂取され、排泄される塩分の量をモニターすることができた。

腎臓は塩分を週間サイクルで処理しているようで、腎臓は特定の日に塩分を除去するため他の日々よりも激しく働く。我々の体がなぜそのように働くのかは不明だが、この機能を知ることは食事制限のプランをより正確に組むことの助けとなる。

《河村兵衛》

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