【THS開発者へ15の質問】初代プリウスはやっぱり「とてつもなく赤字」だった

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「トヨタハイブリッド開発者への15の質問」
「トヨタハイブリッド開発者への15の質問」 全 8 枚 拡大写真

トヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』が12月10日で発売から15周年を迎えた。同日開催された「永遠の記憶に残るトヨタハイブリッド 15周年ミーティング」では、「トヨタハイブリッド開発者への15の質問」と題した質疑応答が行われた。

参加者による15の質問に回答したのは、トヨタ自動車製品企画本部小木曽聡常務理事、同豊島浩二チーフエンジニア、同岡部慎主査、同田中義和主査ら4名の開発陣。

コストを下げる努力

福田将宏さん:名古屋から来ました福田将宏です。私は歴代プリウスをすべて乗り継いでいます。初代は中古で、大学を卒業してすぐに買いました。その後、2代目、3代目は新車で買いました。プリウスの魅力は燃費性能だけでなく、すぐ手が届くような価格にもあります。特に3代目は、事前情報を聞く限りでは性能が高くなるから価格も上がると思っていたのですが、実際は意外にもほぼ据え置き。嬉しかったです。ハイブリッド車は、モーターなど、それまでのクルマにはないものを新たに開発しなければならず、その点でガソリン車と比べてコストがアップし、リーズナブルな価格に抑えることに苦労したと思われます。そのあたりについてお聞かせ下さい。

小木曽:ハイブリッド車のコンポーネント、各ユニットの価格を下げる努力はずっと続けています。初代プリウスは1997年に誕生しましたが、その根底にあるのは21世紀に向けた環境に優しいクルマづくりであり、ハイブリッドありきで始まったわけではありません。必要十分なサイズで、使いやすくて、燃費が抜群にいい、それを考えて行き着いたのがハイブリッドでした。

当初、モーターや電池などハイブリッドの構成部品が大きいこともあって、それを目標のサイズに収めることに苦労しました。試行錯誤の繰り返しで、ようやく目標としていた初代プリウスのサイズに収めることができ、215万円で売り出したわけですが、当初は結構赤字。いや結構どころか、とてつもなく赤字でした。

ただ、将来のビジョンが描けていたので、そこからは性能向上を担保した上でのコスト低減を図っていきました。原価はとにかく下げる下げる、です。クルマの価格というのは、原価のことだけでなく、市場の相場などを加味して、ちょっと割高に設定したり、3代目プリウスのマイナーチェンジ前のように安めにしたり、いろいろあるんですけど、基本的には安くていいものをというスタンスをずっと続けてきたから、この価格をキープできていると思います。

《村尾純司@DAYS》

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