【ジャガー XF 試乗記】ダウンサイジングするも“らしい”走りは健在…島崎七生人

試乗記 輸入車
ジャガー XF
ジャガー XF 全 5 枚 拡大写真

ジャガーといえばダブルシックス(V12気筒)でしょう…と仰る方も、未だ少なくないはず。

ところがダウンサイジングの潮流を受け容れ、今や直4の2リットルターボを搭載している。しかもフラッグシップの『XJ』にまで搭載するというのだから、最初にその報を聞いた際、ちょっとした驚きすらおぼえた。

今回は『XF』で試乗してみた。初期型に対し圧倒的に洗練されたフロントデザインの現行XFは、大勢を占めるドイツ製セダンでは飽き足らない個性を重視するユーザーにはうってつけだ。オプションの20インチアロイホイール、エアロダイナミクスパックを装着する試乗車でさえ、控えめで上品な雰囲気は保たれていた。

気になる“直4の2リットルターボ(240ps/300Nm)”だが、動力性能面で役不足どころか、ジャガーXFというクルマに見事にマッチしたエンジンに思えた。とくに加速時のなめらかなフィールは、キチンとジャガーの世界観を演出しているといえるほど。レンジローバー・イヴォークと共通のユニットのはずだが、チューンや駆動系の差もあり、体感する音や振動の質や量もより少ない。

高速直進安定性の高さ、ワインディング路でのスムースな身のこなし、なめらかな乗り味なども魅力。スイッチONでサンダーバードのように(!)エアコン吹き出し口が開く仕掛けが楽しい室内は、心地よく上質な味わいで包まれている。

なおJC08モード燃費は9.1km/リットル。試乗中、街中/山道/高速走行等を含む数日間の使用で、車載コンピュータの平均燃費の表示は奇しくも同数値を表示していた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  2. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  3. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  4. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
  5. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る