【BMW 7シリーズ 試乗】新ハイブリッドシステム採用、静かで滑らかかつ力強い走り…松下宏

試乗記 輸入車
BMW・7シリーズ
BMW・7シリーズ 全 12 枚 拡大写真

BMW『7シリーズ』のハイブリッドは、当初メルセデス・ベンツやGMと共同開発したマイルドハイブリッドを搭載していたが、2012年9月のマイナーチェンジで、直列6気筒の直噴ターボ仕様エンジンに電気モーターを組み合わせたフルハイブリッドシステムに変更された。

【画像全12枚】

外観デザインが上級セダンの大柄なボディを生かして伸び伸びとしたデザインであるのはこれまでと変わらない。BMW伝統の丸型ヘッドライドは、マイナーチェンジでLEDヘッドライトに変更された。ハイブリッドであることを示すのはエンブレムくらいだ。

インテリアはBMWのデザイン文法に従ってドライバー・オリエンテッドのデザインが採用されている。高精細・高解像度の10.2インチディスプレーは、視線移動の少ない高めの位置に配置されている。走行モードに応じてパネルの色が変わるメーターはガソリン車と共通の設定だ。

アクティブハイブリッド7は、直列6気筒3.0リッターの直噴ターボ仕様エンジンを搭載するフルハイブリッドに変更されたが、ということはアクティブハイブリッドの3/5/7は基本的に同じシステムを搭載していることになる。

とはいえ全く同じではなく、アクティブハイブリッド3/5とアクティブハイブリッド7では、エンジンの動力性能の数値が異なっていて、アクティブハイブリッド7は235kW/450N・mを発生する。モーターを合わせたシステムトータルでは、260kW(354ps)/500N・mの圧倒的なパフォーマンスを発揮できる。7シリーズは車両重量が重いので、それに対応した仕様を設定しているのだ。

アクティブハイブリッド7の燃費はラグジュアリーセダンでトップの14.2km/リットルを達成している。これはとても良い数値であり、エコカー減税で免税扱いになる燃費の良さだ。

エンジンの動力性能を見ると、アトキンソンサイクルを採用して効率を上げたりするのではなく、十分なパワー&トルクを確保した上でそれに電気モーターをプラスし、走りのパフォーマンスを上げようという方向性が見て取れる。アクセルを踏み込めば、豪快な加速が得られるハイブリッドだ。

電気モーターは40kW/210N・mの性能を持ち、これによってEVモードでの走行が可能。発進時だけでなく、時速80km以下での走行中にアクセルペダルから足を離すとエンジンが停止して空走状態になって燃費を良くする。

走行モードをエコプロにして走れば、時速80km以上の領域でもトランスミッションが切断され、エンジンを停止して静かで滑るような走りになる。これも良い点だ。

試乗車はMスポーツだったので、前後異サイズの20インチタイヤを履いていた。ランフラットの偏平タイヤでありながら、乗り心地の悪さを少しも感じさせないのはとても良い。乗り心地と操縦安定性を高次元でバランスさせた快適な足回りである。

アクティブハイブリッド7の価格は1198万円で、同じエンジンを搭載するガソリン車の740iに比べると76万円も高い。アクティブハイブリッド3がガソリン車との価格差をわずかな金額に抑えているのに比べると、かなり大きな価格差だ。これは装備や仕様に違いがあるためで、ハイブリッドの実質的な価格アップは小さい。

試乗車には39万円のMスポーツパッケージのほか何点かのオプションが装着され、1300万円を超える仕様になっていた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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