プジョーは「パリモーターショー2026」で、新コンセプトカー『RCZ Vision』を発表した。2009年から2015年まで販売されたクーペ『RCZ』の後継にあたるモデルで、同ブランドの新しいデザイン言語「フェリン・フューチャー(Feline Future)」を体現する一台だ。
◆500hpと航続600kmを両立する電動パワートレイン
プジョー『RCZ Vision』
RCZ Visionは、ステランティスの次世代モジュラープラットフォーム「STLA One」をベースに開発された。パワートレインは電動で、最高出力500hp(約368kW)を発揮する。
最大の特徴は、ファクトリアル・エナジーと共同開発した全固体電池の採用だ。厚さわずか110mmのバッテリーは高エネルギー密度を持ち、最大航続距離600kmを実現する。1000Vの高電圧アーキテクチャーと組み合わせることで、バッテリー残量10%から80%までの充電時間をわずか10分に抑えた。WLTPコンバインドサイクルでの電費目標は11.5kWh/100kmとしている(確定値は今後公表予定)。
◆X-by-Wire技術でドライビングプレジャーを追求
プジョー『RCZ Vision』RCZ Visionには「ステア・バイ・ワイヤ」と「ブレーキ・バイ・ワイヤ」を含む「X-by-Wire」技術を搭載する。ステアリングコントロールと車輪の間に機械的な接続はなく、操舵は100%電子制御となる。最大回転角は1回転弱で、従来のステアリングホイールの約3回転と比べて大幅に少ない。
ブレーキ・バイ・ワイヤはプジョーとして初採用で、ペダルとブレーキ間の油圧接続を電子制御に置き換え、回生ブレーキとのシームレスな統合を実現する。また、レベル2++の自動運転機能も搭載し、市街地・高速道路の両方でハンズフリー走行が可能だ。
◆「フェリン・フューチャー」デザインの5つの原則
プジョー『RCZ Vision』新デザイン言語「フェリン・フューチャー」は、「フリーダム(自由)」「クーリッジ(勇気)」「エレガンス(優雅さ)」「インナーフォース(内なる力)」「インスティンクト(本能)」の5つの原則で構成される。
外観は低く構えたシルエットで、前後に力強く張り出したショルダーラインと深く彫刻されたフランクが特徴だ。フロントとリアには水平に並ぶ3本の「クロー(爪)」型ライトシグネチャーを採用し、超薄型のシン・レンズLEDヘッドランプと組み合わせる。バンパーには「RCZ」の文字をマイクロパーフォレーションで表現したグラフィックを配置した。
ルーフは初代RCZのトレードマークだった「バブルルーフ」を継承しつつ、ボンネットから車両後部まで延長したガラスバブルとして再解釈している。ホイールはフロント21インチ、リア22インチの鍛造アルミ製だ。
◆次世代コックピット「ハイパースクエア」と透明マイクロLEDディスプレイ
プジョー『RCZ Vision』インテリアに採用されるのは次世代の「プジョー i-Cockpit」。その中心となるのは、次期『E-208』にも採用予定の量産版「ハイパースクエア」だ。四つのリングに主要機能を集約した独自のステアリングコントロールで、ドライバーは手を離さずに操作できる。
ステアリングコントロールの上方には透明マイクロLEDディスプレイを配置し、必要な情報を視野内に直接表示する。中央の縦型フローティングディスプレイはインフォテインメントや各種設定に対応し、完全にオフにすることも可能だ。透明構造のため、オフ時にはダッシュボードから視覚的に消えるように設計されている。
プジョー『RCZ Vision』キャビンはアルカンターラと再生レザー「PELINOVA」を使用し、明るいライトブルーのカラースキームで仕上げた。PELINOVA は皮革製品業界の端材から製造した革新的素材で、本革と同等の質感と香りを持ちながら環境負荷を低減している。
ダッシュボードにはフランスの時計ブランド「セリカ」が手がけた時計を組み込んでいる。「パレード」と名付けられたこの時計は、中央ディスプレイのサポート部に収まり、画面上にデジタル表示としても反映される。
プジョー『RCZ Vision』



