インプレスR&Dのシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所は、スマートフォンや電気自動車などに、ワイヤレスで電力を給電する「ワイヤレス電力伝送(WPT)についてまとめた『ワイヤレス電力伝(WPT)技術の最新動向2013』の販売を2月7日より開始する。
ワイヤレス給電技術に関する業界団体Wireless Power Consortium(WPC)によって2010年3月に制定された標準規格「Qi」(チー規格)は、スマートフォン/タブレット端末やデスクスタンドなどにも搭載され、急速に普及し始めている。
家庭内やオフィス内では、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末、携帯端末、音楽などエンターテインメント携帯機器などを、机などの上に置くだけで電源供給や充電ができるほか、家屋の壁に埋め込まれた電源供給装置を用いたテレビの完全電源コードレス化などがある。また、屋外や産業機器等への用途では、電気自動車や電車などへの電源供給や充電など、電力インフラ機器への適用、体内の撮影、体内の腫瘍摘出などを行う超小型体内医療機器への無線電力供給など、適用できる範囲は広く、WPT技術への期待は大きくなっている。
このような状況のなか、各企業や団体でWPT技術を中心にした研究開発活動が活発に進められ、並行して標準化活動も積極的に推進。これに対して、日本のBroadband Wireless Forum(BWF)のワイヤレス電力伝送ワーキンググループは、WPTの課題の解決に向けて意欲的な活動を展開する。
具体的には、これまでにBWFは、WPT技術の実用化に向けたロードマップを策定し、また、ワイヤレス電力伝送技術の利用に関するガイドラインのバージョン1.0 を策定し、公開。現在は、適用範囲を広げたガイドライン・バージョン2.0 の策定を、2013 年春を目標に進める。
こうした状況をとらえ、本書では、まず現状のWPT技術に関する研究開発動向について説明し、関係する技術方式についても解説。また、制度化や標準化などへの取り組み状況について、各標準化団体などの動きについても説明している。特にBWFの活動については、今後のWPT技術の実用化およびその発展に大きく関係すると考えられるため、ガイドライン策定、制度化、人体防護指針対応、標準規格化などの観点から具体的な説明を行っている。
価格は、CD(PDF)版が8万9250円、CD(PDF)+冊子版が9万9750円。