NEDOの災害対応ロボット、チームワークで作業

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NEDOが公開した最先端災害対応ロボットのすべて
NEDOが公開した最先端災害対応ロボットのすべて 全 6 枚 拡大写真

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2月20日、千葉県習志野市の千葉工業大学で最先端の災害ロボット技術を報道陣に公開した。このロボットは、自然災害や原子力災害、産業施設全般の事故や災害などを想定して参画企業や教育機関と開発したもので、9分野に及ぶ。

災害対応ロボットは福島第一原子力発電の事故以降、人になり代わって現場の状況把握や復旧活動を行うために求められていたが、これまで投入されてきたものは機動性や耐久性などさまざまな課題があった。そこで、NEDOは2011年度から「災害対応無人化システム研究プロジェクト」に着手し、人間が入り込めないような過酷な災害現場で作業を行うためのロボット技術の開発に取り組んできた。その成果を今回発表したわけだ。

「今回のプロジェクトでは、作業移動機構の開発、測定・作業要素技術の開発、災害対策用作業アシストロボットの開発という3つの開発課題を克服しようと考えました」と技術開発推進部の久木田正次部長は説明し、参画企業や研究機関にそれぞれ得意分野の開発を依頼した。

作業移動機構については、移動ロボット研究所が「小型高踏破性遠隔移動装置」を、日立製作所が「通信技術」を、東芝が「遠隔操作ヒューマンインターフェース」と「重量物ハンドリング遠隔作荷揚台車」を、三菱重工業が「狭隘部遠隔重量物荷揚・作業台車」を開発。計測・作業要素技術については、日立製作所が「ガンマカメラ」を、千葉工業大学が「汚染状況災害対策用マッピング技術」を、東芝が「水陸両用移動装置」を開発した。そして、アシストロボットについてはサイバーダインが開発を行った。

しかも、これらは同じ通信技術と同じインターフェースを利用しているので、「すべてのロボットが連携して動く」(久木田部長)のだ。この日のデモンストレーションでも、1台のロボットが作業するそばで、もう一台のロボットがアシストしていた。そうすることによって、作業が正確にかつスムーズに進められるとのことだ。それはほかのロボット同士でも同じで、文字通りロボットがチームワークで作業するのだ。

「重要なことは、ここで開発したものを一刻も早く現場に投入するということです」と久木田部長は強調する。このように日本の技術の粋を集めたロボットが近い将来、福島第一原発をはじめ、過酷な現場で活躍する日がやってくるに違いない。

《山田清志》

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