【ジャパンキャンピングカーショー13】主役級となった軽キャンパーの仕上がり

自動車 ニューモデル モーターショー
フィールドライフ社・COCOワゴン
フィールドライフ社・COCOワゴン 全 10 枚 拡大写真

2月に開催されたジャパンキャンピングカーショー2013。史上最多となる250台の出品モデルのなかで目を引いたもののひとつが、軽自動車をベースに製作された低価格なミニキャンパーの充実ぶりだ。会場の幕張メッセ北ホールを見回しても、軽キャンパーの割合は一見して従来以上に高く、新作も多かった。

◆150万円台から選べる軽キャンパー

軽ワンボックスモデルの内装をキャンピング仕様に全面改装したものから、軽トラックの後部をキャンピング仕様としたコンバージョンモデル、またルーフに可動テントを装備したものなど、選り取り見取り。価格帯も安いものでは何と150万円台、フル装備のコンバージョンでも200万円台後半と、キャンパーとしては格安だ。

「日本は全国各地に温泉があり、外来で簡単に入浴ができます。またトイレもコンビニや道の駅など、利用可能な場所がいくらでもある。必ずしもキャンパーに生活のための設備が完備されている必要はないんです。軽自動車も内装を取り払ってみると、使えるスペースは想像以上に広いんです。少人数での車中泊が主眼であれば、軽で事足りてしまうんですね」

1991年に初の軽自動車のキャンピングカーを製作したフィールドライフ社関係者はこう語る。

◆ブレイクするか、車中泊ブーム

会場で試しに数社の簡易型、コンバージョン型両方の軽キャンパーの車内に寝そべってみた。車内をフラットベッドにした状態での床の剛性感は、普通のミニバンをフルフラットにするのとは別次元の高さで、凹凸もほとんど感じられない。インテリアの仕上げも、最大のセールスポイントとして各社が競っているだけにどれも驚異的なレベルの高さで、これは安物だなと感じる商品は1台もなかった。

ホンダが昨年、車内をフラットにして就寝できる『N BOX+』を投入するなど、大手メーカーも車中泊を考慮した商品展開を進めている。コーチビルダー製のキャンパーはメーカー仕様に比べて品質保証や安全性などの面では劣るが、娯楽性やデザイン性などセンスの面では大きくリードしている。日本のキャンピングカー市場はたかだか年間4000台程度にすぎない。2000年代半ば頃から注目度を上げてきた軽キャンパーは、車中泊ブームに乗って飛躍できるか!?

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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