日野自動車の遠藤真専務は、ヤマト運輸およびトヨタ自動車と協力して実証運行に取り組むEV(電動)トラックの航続距離について、「冷凍車仕様だが、車室内の空調を使う夏場の時期でも20kmないし30kmの走行は可能」と説明した。
3社はこの実証運行について3月1日に東京都江東区で記者会見し、車両を公開した。EVトラックは日野の開発によるもので、今回の実証車両の仕様を3社が協力して定めた。トラックのバッテリーはリチウムイオン電池で、容量は28kWh。遠藤専務によると、冷凍設備や空調などに負荷がかからない場合は、約100kmの航続性能をもつという。
車両は「クール宅急便」として実証するため、冷凍・冷蔵設備を搭載し、バッテリーは走行用と共用している。フル充電からの航続距離は20~30kmを念頭に開発し、市街地走行に限定するため最高速度は60km/hに抑制している。遠藤専務は実証運行で「年間を通じた消費電力の把握や、バッテリー性能の評価につなげたい」と話した。