【トヨタ 初代クラウン 後席試乗】はるか昔の先人達の知恵のかたまりに感じること…諸星陽一

試乗記 国産車
【トヨタ 初代クラウン 後席試乗】はるか昔の先人達の知恵のかたまりに感じること…諸星陽一
【トヨタ 初代クラウン 後席試乗】はるか昔の先人達の知恵のかたまりに感じること…諸星陽一 全 13 枚 拡大写真

愛知県のトヨタ本社地区で行われた『クラウン』試乗会にて、ひとつの目玉イベントが用意されていた。それが、初代クラウンの後席試乗というものであった。

【画像全13枚】

この初代クラウンをドライブしていただいたのは、自らも同世代のクラウンを所有しているという石川實さん。息子さんはなんとレクサス『LFA』のボディ開発に携わったという現役のトヨタマンで、トップガンの資格もお持ちだという。

初代クラウンの後席は信じられないくらいにふわふわのクッションを採用していた。試乗車は1960年型。まだまだ舗装されていない道路も多かった時代、サスペンションで吸収しきれないショックはシートで吸収していたのだろう。道路がクルマを作るとは、よく言ったものだ。また、シートの両端には肘掛けが用意してあり、まるで小さなソファのような設計、肘掛けをシート側に作ってしまうというのも今では考えられない設計だ。

エアコンなんてない時代のクルマだけに、車外の空気をどう取り入れるかは大事なことだった。サイドウインドウの前側は三角窓と呼ばれる形状で、風を受け入れて車内に導入することができた。また、ボンネットのフロントウインドウよりには、ポップアップする空気導入口が設けられている。

それなりに振動はあるが、けっこうしっかり走るのにはビックリ。今このまま乗っても楽しいのでは、と思わせる乗り心地だ。もちろん高速道路時代の前のクルマだから、速度が出るわけではないが、あくまで50年以上も前であることを考えればそれはそれは立派だ。

機構的に面白かったのはホーンとキャブレター。ホーンは今の一般的なものよりも音量が大きく、低音が響くもの。音質としては荘厳な雰囲気にあふれている。キャブレーターはフロート室がガラス張りになっていて、油面状態がボンネットを開けるだけで確認できるようになっていたこと。つまり、それだけ油面が狂うことが多かったのだろう。

純国産の乗用車を作りたいという気持ちが形となったのが初代クラウンだ。その現物を見て乗ったことで、日本人が忘れてはならないスピリッツを感じることができた。これはけっして忘れてはならないことなのだろう。

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ、レアアース不使用の永久磁石開発企業の米「Niron Magnetics」に出資
  2. ホンダ『CR-V』次期型は2028年登場か? 新e:HEV+電動AWDで進化!
  3. 51年前のアメ車でスマホの音楽を楽しむ! 1971年型オールズモビル『カトラス』を現代オーディオ化[car audio newcomer]by 東京車楽 前編
  4. ポルシェ、ブガッティ・リマックとリマック・グループの株式売却を完了
  5. ダイハツ『ムーヴ』のサス性能を使い切る! ブリッツのフロント用「ストラットタワーバー」発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  3. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  4. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  5. 生活道路の法定速度が30km/hへ、9月1日から引き下げ---ここまで影響アリ
ランキングをもっと見る