全日本選手権スーパーフォーミュラの富士合同テスト(20~21日)で、注目ルーキーの平川亮は2日間総合11番手のタイム。しかしながらトップとはコンマ6秒差(1分22秒964)と、総合2番手だった鈴鹿テストに続いて高い対応能力を見せた。
2日目の午後のセッションがトラブル車両発生による赤旗打ち切り終了となり、最後のニュータイヤでのアタック合戦が見られなかったため、各車のベストタイムを同列に比較することはできなくなってしまった。だが、それでもニュータイヤ効果による高水準なタイムが相次いだなかでのこの結果は、ルーキーにまずまずの手応えを与えるものであったようだ。
コースを3つのセクターに分けて見てみると、平川は今回セクター1では全体ベストを相次いで出す局面もあったが、セクター2、3でわずかに遅れる傾向だった。「そのへんは、他のクルマとの(セットアップの味付けの)違いでしょうから」と冷静に分析。開幕戦鈴鹿では大きな注目を集めての戦いになることが必至の状況だが、「決勝レースは距離も長いし、まだスタート練習も充分ではないので、分からない面もあります」と、これまた冷静。しかし予選では「Q3には残りたいし、調子が良ければポールポジションを獲りたいです」と意気込みを見せる19歳。彼が新生スーパーフォーミュラの中心軸になれるかどうかは、今季最大の焦点かもしれない。
鈴鹿ファン感謝デーでの“第0戦”で優勝した佐藤琢磨は、今回はインディカーの開幕週ということで不参加。TEAM無限(ホンダ)の15号車は、今季琢磨不在のラウンドに出走する小林崇志がドライブした。初日にクラッシュがあったものの、2日目には復帰し14番手タイム(開幕戦には琢磨が参戦予定)。
また今回の富士には、8月の第5戦韓国インジェ大会への出場を目指す韓国人選手2名も参加し、フォーミュラ・ニッポン通算3勝の井出有治をアドバイザーとして招き、キム・ドンウン、チェ・ヘミンが交代でホンダエンジン搭載車をドライブした。ベストタイムはドンウンが1分27秒193、ヘミンが1分26秒033。上位とは5秒前後の開きがあるが、これがスーパーフォーミュラ初ドライブだったことを考えれば、今後の練習次第で実戦参加の可能性は高まる、といったところだろう。2月のF3マシンでのオーディションで強化選手となったドンウンをヘミンが本番までに逆転するかどうかも含めて注目したい。
これで開幕前の合同テストは終了。スーパーフォーミュラは4月13~14日の「鈴鹿2&4レース」で、今季だけでなく新時代の開幕を迎える。