東芝、車載機器などの組み込み向けメニーコアLSIに適した低消費電力OSを開発

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東芝は、車載機器やデジタルプロダクツなどの組み込み用途向けのメニーコアLSIに適した低消費電力OSを開発したと発表した。

開発したOSを同社製のメニーコアLSI上で動作させ、画素数1920×1080から3840×2160への超解像変換処理を行ったところ、性能劣化を抑えつつ24.6%の電力削減を実現した。

近年、マルチメディア処理に対して高い処理性能が要求されている。これに応える方法として多くのプロセッサコアを搭載したメニーコアLSIが期待されているが、コア数が増加するにつれ消費電力も増加する傾向にあり、バッテリの長時間駆動に対する要望や環境に対する配慮から低消費電力システムの実現が求められている。

消費電力を抑える方法として、OSが負荷にもとづき各コアの電源をオン・オフするという手法が挙げられる。従来技術では、過去の負荷情報から近い将来の負荷を推測しそれに基づいて電源制御を行うが、予測の精度があまり高くないため負荷の変動に追従できず、余計な電力を消費してしまうという課題があった。

今回開発したメニーコアOSでは、並列ソフトウェアの実行情報をOSが利用して電源制御を行うことが特徴。並列ソフトウェアが正しく動作するためにはスレッドの実行順序を規定する必要があり、本OSでは「依存数」という独自の手法を用いて実行順序を規定。特定の時刻での「依存数」とその時点から近い将来での負荷には緊密な関連があることに着目し、依存数を用いることで正確な負荷予測を実現。この予測に基づき各コアの電源を制御することで、消費電力を抑えることを可能とした。

同社では、組み込み用途における高性能な画像処理、画像認識などのアプリケーションを低消費電力で実現するために、本メニーコアOS技術を活用していく。

《纐纈敏也@DAYS》

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