JAXA、暗黒物質の解明に向け高エネルギー電子ガンマ線観測装置を利用

宇宙 テクノロジー
JAXA、暗黒物質の解明に向けて「きぼう」船外プラットフォームにCALETを設置
JAXA、暗黒物質の解明に向けて「きぼう」船外プラットフォームにCALETを設置 全 3 枚 拡大写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「高エネルギー電子ガンマ線観測装置」(CALET)を使って暗黒物質の解明を目指す。

現在、宇宙物理学・素粒子物理学で最も解明が急がれているのは「暗黒物質」に関する問題で、これは観測が困難な仮説上の物質で、その正体は不明となっている。

暗黒物質の存在を確かめるためには、宇宙を飛び交う電磁波、宇宙線や高エネルギーガンマ線についても詳細に調べる必要がある。

今回のミッションでは「きぼう」の船外実験プラットフォームに「高エネルギー電子ガンマ線観測装置」(CALET)を設置して長期にわたって観測する。

解明を目指しているのは、高エネルギー宇宙線・ガンマ線の起源と加速の仕組み、宇宙線が銀河内を伝わるしくみ、高エネルギー電子、ガンマ線の観測による暗黒物質の正体など。

粒子の生成・消滅という素粒子物理学と、粒子の加速・伝播という宇宙物理学のふたつの視点から、宇宙線天文台として高エネルギー宇宙現象・暗黒物質等の解明を目指す。

打ち上げられたCALETは「きぼう」船外実験プラットフォームに設置される。CALETは、最新の検出・電子技術を用いた「カロリメータ」と呼ばれる装置を搭載し、宇宙を飛び交う粒子のエネルギー量とそれらの粒子の種類や飛来方向を測定する。

装置は気球実験を通じて開発されたもので、非常に高いエネルギーの電子やガンマ線、陽子・原子核成分を高精度で観測できる。銀河の外で、短時間に大量のガンマ線が観測されるガンマ線バーストと呼ばれる現象についても測定するほか、太陽活動の地球環境への影響についても調べる。

CALETによる観測は2~5年にわたって実施し、惑星間空間から銀河系外までの宇宙の広い領域で、高エネルギー宇宙現象の解明を目指す。

暗黒物質については欧州合同原子核研究機関などの国際チームが4月4日、暗黒物質の存在の跡を観測した可能性があると公表している。

《レスポンス編集部》

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