【フォード フォーカス 試乗】シットリとカッチリの中間という絶妙な感覚…飯田裕子

試乗記 輸入車
フォード・フォーカス
フォード・フォーカス 全 16 枚 拡大写真

2012年1-9月の販売台数が世界一となった新型『フォーカス』。世界で売れていると言ったってグレード展開や販売価格の異なる日本でも同じように売れるとは限らない。

しかし日本で販売されるフォーカスは“Sport”の1グレードながら、1グレードだからこそ他メーカーのライバル車とは異なる個性や魅力をデザインや装備、ハンドリングなどで効果的にアピールするには十分なモデルという印象が持てます。

エクステリアは専用のボディキットやリヤスポイラー、17インチホイールを装着しより個性を強め、インテリアにはハーフレザーシートや左右独立エアコンなど、マイクロソフト社と共同開発されたボイスコントロール&インフォテインメントシステム“SYNC”なども新しく、輸入車らしい装備としての付加価値を感じさせてくれるのではないでしょうか。

空間の広さにボディサイズ以上の驚きはないけれど、ラゲッジスペースを含め実用性も十分。唯一、最小回転半径6mという数値。試乗中にも小回り性能がそれほど悪いとは感じなかったため、少々意外。安全装備も例えば今どき多くのメーカーが採用を始めている前車との衝突を回避する“アクティブ・シティ・ブレーキ”なども標準採用。安全に対する時代のニーズにもしっかり応えているモデルと言えます。

2リットルのNAエンジンに6ATを組み合わせたフォーカスは様々な走行シーンにおいて十分なトルクとスムーズな速度コントロールが可能です。またその走りをより頼もしくときに楽しさも感じさせてくれるスポーツサスペンションやコーナリング性能をサポートしてくれるトルクベクタリングを標準装備しているのも特徴的。足回り関係の装備やグレード名から尖がったドライブフィールを想像しそうですが、乗り心地はフラットでコーナリングはステアリングの操作フィールとも統一感のあるシットリとカッチリの中間という絶妙な感覚が造りこみのレベルの高さを感じさせてくれます。

デザインは好みがあるものの総合力は高く、これなら日本で久しぶりにフォーカスが“フォーカスされる”のも不思議ではないモデルと言えそうです。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
自動車メーカーでOLをした後、フリーの自動車ジャーナリストとして駆け出し、そのキャリアは10年以上。現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。
免許を取得した神奈川では“一人一台”、東京では“一家に一台”のクルマ生活を経験し、2年半の北米生活をはじめ海外のCar & Life Styleにも目を向けている。
同時に安全とエコの啓蒙活動にも積極的に取り組んでおり、ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上になる。
現在は雑誌、ラジオ、TVなど様々なメディアで様々なクルマ、またはクルマとの付き合い方を紹介するほか、ドライビングスクールのインストラクター、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は幅広い。

《飯田裕子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  2. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  3. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る