三菱自動車の益子修社長は4月25日に開いた決算会見で、国内生産について「能力を増やすのは非常に難しい。現状のレベルをなんとか維持していくのが精一杯」と述べ、円高が修正されても国内に生産を回帰する考えが無いことを示した。
益子社長は「国内は2005年から人口の減少が始まっており、今後確実に人口が減っていく中で内需の拡大を期待するのは極めて難しい。日本での生産能力を増やすのは非常に難しい」と説明。
さらに「これまで私どもは日本を含む先進国で生産をして新興国に車を供給するというビジネスモデルでやってきたが、その後、新興国で生産をして先進国にもっていくというビジネスモデルに移行した。実は次のステップにもう行くだろうと思っている。新興国で造った車を新興国に出していくという時代に間違いなく入っていくだろう」と指摘。
その上で「そういう中で日本生産にこだわる、回帰するというのはちょっと考えにくい。日本は現在の生産水準をなんとか維持しながら、増産のチャンスがあった場合には海外でやりたい。これが消費地に近いところで生産するメリットを最大限享受できることだと思っている」と語った。