NASCARは5月3日、タラデガ・スーパースピードウェイで5月5日に決勝レースが行われるNASCARスプリントカップ第10戦アーロンズ499で、デイトナでのドライブの再現を狙うダニカ・パトリックの意気込みについて紹介した。
タラデガで行われるレースは、パトリックがNASCARの最も大きなレースのポールポジションを獲得した、最初の女性ドライバーとなったデイトナ500以来、スプリントカップシリーズで2度目のリストリクター・プレートが使用されるサーキットである。つまりパトリックがドライブするNo.10の車はデイトナ500で使用されたものと同じもので、チームは風洞実験室に車を持ち込んでエアロダイナミクスの数値のチェックを行い、レースに向けて万全の体制を整えている。
しかしデイトナの他にパトリックがリードラップを記録してフィニッシュしたレースは、マーティンスビル・スピードウェイの初めてのショートトラックで12位に入賞したレースだけだった。しかし今回のタラデガはパトリックが良い結果を出した経験のあるリストリクターを使用するレースで、デイトナで見せたマジックを再現する機会を狙っている。
「公平に言って、期待がかかっていることは承知しています。ですが、こうした大きなスピードウェイでは多くの運が左右することも考慮に入れなければなりません。全てがクリーンでなければいけません。良いピットストップや先頭集団の中にいる事、そして問題もなく、アクシデントに巻き込まれないことが大切です。昨年の経験から言って、タラデガはデイトナよりも集団性が高く、トラックもデイトナよりも幅が広いので、4台が平行して走るような展開になった時にレースが面白くなります。私達はただ正しい時に正しい位置にいたいと望んでいます」とパトリックは語った。
デイトナでリストリクター時代において3番目に速いポールスピードを記録し、500マイルをわずかな傷だけで完走したものと同じ車を今回使用することは、悪い結果を招くはずもない。クルーチーフのトニー・ギブソンはNo.10の車を風洞実験室に持ち込み、汚れをきれいに拭き取ってアラバマ北部のレーストラックに車を持ち込むと語った。
「スピードウェイで車が生き残るとは考えない。だからデイトナに挑んだ時、そのような計画はしていなかった。計画は無論勝つことだったが、ホームに戻った後、車に何のダメージもなかった。車が速く、スピードがあることは知っていた。だからここに再び持ち込むことに決めたことは、きっと良いことに違いない。リストリクターを使ったレースで生き残り、車を持って帰ってくることができれば、それはとても良いことだ。だからデイトナの後にホームに戻り、このレーシングトラックに再び持ち込むことを決定した」と彼は語った。
ただし車は完全に同じものではない。ギブソンが言うにはエンジンやギア、トランスミッションといった内部パーツは異なり、それがデイトナの時のように完璧なパフォーマンスをするかどうかは定かではないとのことである。しかし彼は車がスピードを持っていることを知っていて、パトリックがポールポジションの座を競えると感じている。予選は土曜日に行われ、雨となる可能性が高いと見られている。しかし陰鬱な天気予報も、この週末がデイトナ以来最高の機会と見ているNo.10のチームの自信を暗くさせることはない。
「勿論だとも。ここは我々のチームの早期のステージにおける、我々が輝く場所だ。このレーストラックこそがそうなのだ。マーティンスビルは我々にとってショッキングだった。我々はあのサーキットでいつも良い車を持っているが、彼女はサーキットをそれ以前に見たことがなかったのに、あのように良く走れたことはとてもショックだった。デイトナからの勢いは、我々を長く運んでいる。我々はその勢いをどこへでも持ち込むが、特にリストリクターを使うレースでは、彼女は本当に良い仕事をする。だからデイトナで良く走った車をここに持ち込むことは、自信をさらに高めることになる」とギブソンは付け加えた。
「自信のレベルが、心地よさのレベルほど大きな量でシフトするかどうかはわかりません。それはただインディカーのオーバルで経験した、大きなスピードウェイでの快適さと、集団のレーシングスタイルでの心地よさだと思います。そしてそれがストックカーのレースで私がおそらく少し速い理由で、ここに来るとただ少しだけ心地よさを感じるのだと思います」とパトリックは語った。