トヨタ自動車の豊田章男社長は5月8日の決算発表会見で、前期(2013年3月期)の業績評価について、「何といっても単独の営業利益が5年ぶりに黒字となったこと」と指摘した。
前期の単体決算は営業利益が2421億円(前期は4398億円の赤字)、純利益は前期比約20倍の6977億円だった。リーマン・ショック後の需要減や2010年以降の超円高局面で単体の営業収支は赤字が続いていた。この間の固定費の削減や仕入先との原価低減、さらに最近の円高是正が収益の大幅な改善につながった。
赤字転落した09年に就任した豊田社長は、就任時の会見で「税金も納められない悔しい状況」と述べた。法人税等の納税につながる単体業績の立て直しにこだわってきただけに、営業黒字への転換を前期業績最大のハイライトと位置付けた。