JAXAなど、最大出力を長時間維持できるモーターコイル開発…電動航空機の実用化を前進

航空 テクノロジー
日本化薬とJAXA「熱伝導性耐熱絶縁材料を用いた電動航空機用モーターコイルを開発」
日本化薬とJAXA「熱伝導性耐熱絶縁材料を用いた電動航空機用モーターコイルを開発」 全 3 枚 拡大写真

日本化薬と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、熱伝導性耐熱絶縁材料を使って、電動航空機の実用化に不可欠な、最大出力を従来の2倍以上の時間維持できるモーターコイルの開発に成功した。

JAXAは、将来の航空機に求められる航空技術の一つとして、電動航空機の研究開発を進めている。電動航空機を効率よく離陸させるためには、離陸する数分間、最大出力を維持することが重要。これまでのモーターは温度上昇によるコイルの焼損を防ぐため、最大出力を長時間維持することはできず、モーターシステムを大型化による出力制限や、水冷システムを導入するなどの対策によって必要な出力を確保していた。

このため、JAXAでは、小型で高性能な電動航空機用モーター実現のため、モーターコイルに塗布することで、熱伝導を促進しながら、絶縁性と強度を持つ塗料を求めていた。

日本化薬は、反応性ポリアミド樹脂をベースに用いることにより、250度の高温まで使用でき、高い熱伝導性と高い接着性を持つ熱伝導性耐熱絶縁材料を開発。

日本化薬とJAXAは、2011年度から共同研究を開始し、日本化薬は、熱伝導性耐熱絶縁材料の電動航空機用モーターコイルへの適用を、JAXAはこのモーターの試験、評価を行った結果、最大出力で動作できる時間が従来の2倍以上で、最大効率も約1%向上させたモーターコイルの開発に成功した。

従来と同程度の出力に抑えればシステムの軽量化も可能となる技術で、航空機だけでなく、今後、高出力モーターが必要となる大型自動車など、様々な電動産業機器への応用も見込まれる。

《レスポンス編集部》

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