高速道路スマートIC、整備費用かさみ縮小へ...高速各社が意見を募集

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新東名高速浜松SAにあるスマートIC
新東名高速浜松SAにあるスマートIC 全 1 枚 拡大写真

日本高速道路保有・債務返済機構と高速道路4社は16日、利便増進事業として税金を原資に拡充を進めているスマートIC(インターチェンジ)について、整備計画を見直す方針を打ち出した。

新しい整備案では、スマートICの整備を現行計画より12か所減らして、2020年度までに全国97か所に設置する。東中西の3社が各32か所、本四高速が1か所。

スマートICの整備拡充は社会実験として始まり、利便増進事業費を使い本格的にしタートしたのは2008年。当初の計画では2018年度までに約200か所に整備することを目指していたが、その目標はわずか数年で半分以下に縮小したことになる。

その原因として、土日休日に加えて、平日の無料化など利便増進事業における料金割引への使途が増加。東日本大震災の発生で、その一部が復興予算に組み入れられたことにより、スマートIC整備に振向けられる割合が減っていることは否定できない。

ただ、機構や高速道路会社は、予定していた建設費の増加も、計画見直しの一因に挙げている。

スマートICの整備目標は、その時々の政府の意向を反映して何度か見直されている。新たな整備案が提示される前の現行目標では、2020年までに109か所を整備することを目標とし、44か所が供用中、ないし整備中だ。

その総額として1550億円を見込んでいた。ところが、44か所の整備費は約780億円。すでに総額の50パーセントを超えてしまった。「1か所15億円を考えていたが、その費用が変わってきた」(高速道路保有・債務返済機構)と、話す。

スマートICは利用をETC車に限定し、維持費を通常のICより低く抑えることで、利用者の利便性や渋滞緩和を図ることを目的にし、周辺利用者の期待は大きい。

今月発表された磐越道新津西スマートIC(新潟市)の整備効果検証報告では、特定地域の救急搬送で約8割が同ICを利用、搬送時間を短縮したほか、国道403号線の午前中のピーク交通量が減少、渋滞緩和に寄与したなど、目立った効果を挙げている。そのため設置を希望する自治体は多い。

「スマートICは有効で必要な施策。利便増進事業での予定数が終わっても、整備は続けていく」(中日本高速会社)という一方で、その拡充には工夫が必要になっている。

同機構と高速道路会社はこの計画案について、機構のホームページと郵送で20日17時までパブリックコメントを募集する。

《中島みなみ》

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