【フォード フォーカス 試乗】NAエンジンがアクセルレスポンスのあり方に気づかせてくれる…松田秀士

試乗記 輸入車
フォード・フォーカス
フォード・フォーカス 全 6 枚 拡大写真

日本に導入されているのは2.0リットル直噴エンジンにデュアルクラッチ6速ATを搭載した5ドアハッチバックの1車種のみ。このクラスではダウンサイジングされたターボエンジンモデルが多数存在するが『フォーカス』は2.0リットルのNAエンジンのみだ。

【画像全6枚】

しかしダウンサイズ+過給機を絶賛した我々に、改めて自然吸気のアクセルに忠実なレスポンスを気付かせてくれる。一般化した電子制御スロットルでアクセルONのタイムラグに慣れ、今度はターボチャージャーのスロースタートな緩慢さを普通だと勘違いしている。フォーカスに乗ればこのあたりの誤差を少なくとも20世紀末のデフォルトに戻してくれる。走らせるとストップ&ゴーのシチュエーションでも全く気にならないほどに低速からレスポンスが良い。

また、トルクコンバーターを持たないDCT(デュアルクラッチ)トランスミッションのダイレクトな駆動感が特に実用速度域で心地良い。そのコントロールはDCT特有のギクシャク感がとても小さく、トルコンATから乗り換えても違和感は少ないだろう。

サスペンションは動き始めの初期は最近の欧州ぽい締まりの効いたものだが、ライバル数車より遥かに角が立たない。だから、乗り心地はむしろ良い方だ。室内の静粛性が高いのも乗り心地を良く感じさせる。

ハンドリングは本気になって攻め込めば驚くほどのコーナーリング性能を持っている。トルクベクタリング機能という4輪に個別にブレーキを掛けて曲がりやすくする機能も後押しするが、もともと持っているコーナーリングスキルが高い。

キャビン前席はスペースよりもむしろ高級感に振っている。日本向けの生産工場がタイ工場ということにアゲインストなイメージを持つ人もいるだろうが、フォードの最新設備を投入したこの工場のクオリティの高さは実車に乗れば確認できるもの。いまやタイやベトナムなどの製造レベルは非常に高い。日本に導入されるのはラグジュアリーモデルのみなのでライバルとの価格差はあるが、装備・実力はかなりのレベルだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。今でも若者レーサーとバトルを演じるレベルを保っている。国内レースだけでなく海外レースにも多くの出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

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