【人とくるまのテクノロジー13】日本TI、DLP採用で全面タッチパネル化した曲面インパネを出展

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日本TI、DLP採用で全面タッチパネル化した曲面インパネを出展
日本TI、DLP採用で全面タッチパネル化した曲面インパネを出展 全 8 枚 拡大写真

日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、「人とくるまのテクノロジー展」で同社のリアプロジェクション技術、「DLP(Digital Light Processing)」を利用したセンターコーンソールのデモを披露した。

これは今年のCESでもメディア関係者などにも披露されたが、一般に公開されるのは今回のイベントが初めてだという。

センターコンソールの裏側には、光源・レンズと一体で構成されたDLPチップのユニットがあり、これにグラフィック信号が入力されると、数百万にも及ぶマイクロミラーがデジタル画像を反射して前方のスクリーンに映像を投影(リアプロジェクション)するというもの。

映像を表示させるだけでなく、今回出展したコンソールのようにタッチ認識をさせるためDLPの光学系をそのまま使って赤外線を同時に照射し、カメラで画像処理を行い操作を認識させることも可能だという。フリックやドラッグなどはもちろん、マルチタッチにも対応している。

日本TIのオートモーティブ部主任技師の田代賢一氏によれば、「リアプロジェクション方式なら、曲面のついたパネルにも全面タッチパネル化が可能で、内装の意匠に沿ったインフォテインメントの表示操作系が実現できる。また、赤外線カメラによる画像認識で操作を判別しているので、タッチでなくてもジェスチャーで操作可能であったり、運転席側・助手席側からの操作を判別して動きを変えることもできる」とのこと。

ただし日本TIはあくまでもチップメーカーなので、車載機そのものを製造・開発するわけではない。「当社はセットメーカーではないので、セットを作られるメーカーにユーザーインターフェースを開発してもらうことになる。他車との差別化のために、デザイン的に自由度の高いセンターコンソールと一体化した大型の操作・入力系はニーズが増すはず」(田代氏)と今後の需要をにらんでいる。

もうひとつ、同社ブースにはDLPを利用したヘッドアップディスプレイ(HUD)も出展された。フロントガラスに見立てられた面には、ドライバーの視点からおよそ2.5mの距離に映像が投影されており、フルカラー・WVGA(854×480)の映像が幅7度・縦3度のサイズに表示される。この表示面は現在実用化されているHUDに比べても大きく、見やすいという。

同部の技師でアプリケーション担当の齋藤孝一氏によれば、「電力効率に優れたDLPを使用することで、小さい光量でも明るい映像が投影できる。また、液晶とは異なり偏光板を通さないため、たとえば偏光サングラスをしていても映像がみられることも特徴で、HUDの投影方式として自動車用途に非常に向いている」と説明する。


《北島友和》

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