フィリップスのLEDヘッドライトに日欧の設計思想の違いを見た

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欧州車のLEDヘッドライトの見本
欧州車のLEDヘッドライトの見本 全 5 枚 拡大写真

欧州車のLEDヘッドライトのデザインは、ビー玉のような目玉がいくつか並んでいるものが多い。非常に特徴的なフロントマスクを演出できるが、このようなデザインになっている理由は、デザイナーの希望だけではなさそうだ。

【画像全5枚】

グローバル市場でLEDヘッドライトを供給しているフィリップスのLEDランプは、ダイの上に1mm角の小さいLEDチップを4つ横に並べている。この大きさ(4mm×1mm)は、ハロゲンバルブのフィラメントやキセノンバルブの電極間に放電されるアークの大きさと同じものだ。これにレンズをかぶせたランプがひとつのモジュールとなる。これを、ヘッドライトユニットの中に複数配置して全体の明るさ、照明範囲、カットライン(対向車を幻惑しないような配光パターン)、そしてフロントの意匠を構成していく。

これに対して、たとえば日産リーフのLEDヘッドライト(製造は市光工業)は、光源となるLEDチップ(チップ1つは複数のLEDで構成されている)を2つ並べて、リフレクターやシェードと呼ばれる遮蔽板などによって照明範囲やカットラインを構成している。そのため、欧州車のLEDヘッドライトは、中に大き目のビー玉のようなランプがさまざまな形で配置されていることが多いが、リーフのヘッドライトは光源の「目玉」が見えないデザインとなっている。

この違いをフィリップスの技術コンサルタント ユルゲン・メルツァー氏に話したところ、おそらくリーフはEVなので、モジュールをたくさん使うより、少ないLEDチップで光量や機能を確保することで消費電力を抑えることを優先させたのではないだろうか、と話してくれた。実際、アウディや、近年欧州でもシェアを伸ばしているキアのLEDヘッドランプは、複数の目玉を配置しており、リーフのものより消費電力は高くなっている。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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