【人とくるまのテクノロジー13】アイシンAW、30kg軽量化したクラウンHV向けトランスミッション

自動車 ビジネス 企業動向
クラウンHV向けトランスミッション(HR-20)
クラウンHV向けトランスミッション(HR-20) 全 6 枚 拡大写真

アイシン精機やアイシンAWなどを含むアイシングループ5社は、「人とくるまのテクノロジー展」で「自動車の燃費向上」をテーマに各種の製品を出展した。

アイシンAWでは、昨年夏に発売したディーラーオプション向け8インチのBlu-rayプレイヤー一体型再生機能付きナビゲーションやスマートフォン向けナビアプリの『NAVIelite』をメインに展示。広報グループの安藤緋沙子氏は、「今後、ECUなど車両側からの情報をナビなどの地図情報を活用して協調制御する技術はより重要性が増してくる。当社はトランスミッションからナビゲーションまで車両の頭脳と駆動部分を担っているので、この分野での存在感をより増していきたい」とコメント。

またATでは『クラウン ハイブリッド』向けの2.5リットル・直4ユニット専用の縦置きトランスミッション(「HR-20」)など展示。レクサス『IS 300h』に採用されているものも基本的な構造は同一だ。

説明員によると、「旧型クラウンハイブリッドに搭載されていたV6用のハイブリッドトランスミッションはダブルリダクション機構を組み合わせたレイアウトだったが、新型クラウンではモーターリダクションギアを1段としてコンパクトにし、電動オイルポンプを省略することで31kgの軽量化を実現した」とのこと。

またモーターの冷却については、「エンジン停止時にメカオイルポンプを駆動するが、それだけだとEV走行中の潤滑冷却ができない。アウトプット回転に連動してメカオイルポンプが回るような駆動切り替え機構を採用し、エンジンとアウトプットの速いほうで回転させられるようにワンウェイクラッチが付いている」という。

また冷却方法にも工夫が凝らされており、モーターの内周側からもオイルを注ぐことで遠心力で全体に潤滑油が行き渡る機構を新たに採用した。

前出の説明員は「HVトランスミッションの技術はだいぶ成熟してきた」というが、「今いちばん苦労するのは音」だという。特にエンジンが止まっている状態ではモーター特有の高周波ノイズが耳に付くため、リングギアの支持精度を高めることでノイズの発生を抑えこんでいるそうだ。

《北島友和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  2. 日本とは違う『カローラセダン』に「GRスポーツ」が登場、ステアリングもGRがチューニング
  3. 日産『エクストレイル e-POWER』、338馬力デュアルモーターの「e-4ORCE」をインドネシア投入
  4. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  5. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る