【JNCC 第4戦】波乱の爺ヶ岳は出口隼飛が初優勝 

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ウッズ内を走行する出口
ウッズ内を走行する出口 全 4 枚 拡大写真

クロスカントリーコースとしては、日本で最も人気のあるフィールド長野県爺ヶ岳スキー場で開催された第4戦のJNCC。エントリーも今年で最も多く、560台以上のライダーが会場を埋め尽くした。

「ガレクライム」に代表される困難なセクション、そして大町を見下ろす山深い景観がこの爺ヶ岳の魅力。スピードを出せるだけのライダーは、この爺ヶ岳の難セクションに心を折り、マシンを傷めてしまう。本当にタフでクレバーなライダーだけが、この爺ヶ岳を勝ち抜くことができるJNCCの中でも特に「試されるコース」である。

最上位のAAクラス。スタートで飛び出したのは、2年前ここ爺ヶ岳で一躍スターダムにのしあがった小林雅人。しかし、すぐに矢野和都がトップを奪回、渡辺学が続く。いつもであればここに鈴木健二が加わる形だが、波乱はオープニングラップから発生。鈴木がクラッシュしてしまい、チェーンを噛み込んでしまうメカトラブルに。通常であれば、リアブレーキが脱落しようと先頭集団を死守できる鈴木・渡辺コンビだが今回ばかりは戦線から脱落。

トップ矢野のほうはペースを落とさずに渡辺を振り払おうと全開の走行を続けるが、渡辺は2周目にこれを打破。矢野も負けず食らいついていく展開かのように見えたが、渡辺も波乱に巻き込まれたライダーの一人。序盤の早い段階でエンジンにトラブルを抱えて、こちらも戦線から脱落してしまう。

これに代わってトップに立ったのは、小林雅裕。若手AA筆頭の小林は、二人が大きく後退していることを知らず、延々亡霊と戦うがごとく、3時間逃げ切るペースで走行。2番手に上がった出口隼飛がこれを後半から追いこむ形でスパートをかけるものの、追いつかずに小林が1番手でチェッカーを受ける。

波乱はここでも起きる。レース終了後、仮表彰の舞台で小林は「実は告白しなければならないことが。レース中マシンを壊してしまい、1周ショートカットしてパドックへ戻ってしまっています。僕は1位としてたたえられているけれど、ここにいるべきではない、1位ではないはずです」と公表。代表の星野がその場でペナルティの1周減算処理をおこない、小林は初優勝を幻とし、4位へ降格。出口が初優勝となった。2位は西森裕一、3位は森耕輔でどちらも今年実力をメキメキあげているライダー、各々自身最高位を獲得した。

登竜門のAクラスでもやはり波乱が巻き起こる。開幕、第3戦で優勝している高校生ライダー前橋孝洋がスタートの混乱に巻き込まれて最後尾からのスタートになってしまう。序盤トップを走ったのは、Aクラスルーキーでこちらも成長著しい五天翔。あまりの安定した走りに、このまま最後まで逃げ切るかのように思われたが、2時間を経過した時点でベテラン井上雄介がこれを撃破して自身2度目の優勝。注目の前橋は、この戦乱のなかをしっかりと追い上げ、五天をしとめて2位でのチェッカーとなった。

《稲垣 正倫》

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