JAXA、宇宙飛行士体験アプリ「kibo360°」公開…野口聡一さんら披露イベントに登場

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微小重力環境では、浮遊するようにすーっと国際宇宙ステーションの船内を360度移動できる。kibo360°はその感覚をアプリで再現している、と野口聡一宇宙飛行士。
微小重力環境では、浮遊するようにすーっと国際宇宙ステーションの船内を360度移動できる。kibo360°はその感覚をアプリで再現している、と野口聡一宇宙飛行士。 全 7 枚 拡大写真

2013年6月14日、アップルストア銀座にて宇宙飛行士・野口聡一さん、雅楽師の東儀秀樹さんによる国際宇宙ステーション日本実験棟”きぼう”の船内を詳細に見回すことができるアプリ『kibo360°』完成披露イベントが開催された。

まずは、野口さんがiPadを使ってkibo360°の操作を実演した。アプリでは、実際に”きぼう”で撮影された写真を組み合わせて船内を再現している。スマートフォン、タブレットの加速度センサーを利用し、傾ける、動かすなどの動作に合わせて映し出されている船内の位置が360度変わる。上を向いてかざすようにすれば、きぼうに取り付けられた船内保管室に移動していくといった”きぼう”内を浮遊しながら体験できる感覚となっている。

後半では、2012年にTV番組でロシアの宇宙飛行士訓練施設が存在する”星の街”での訓練を実際に体験した東儀秀樹さんと野口さんによるトークショーを展開。ロシアでの弾道飛行による無重力訓練では、周囲の屈強な男性が次々と吐き気に耐えかねて脱落するなか、「自分だけは絶対そうなるものか」と耐え、カメラで自分撮りや浮遊する水の玉を飲む挑戦をしたという。野口さんは「アメリカでも同様の無重力訓練を行いますが、吐き気は避けられないので訓練に使う航空機を”Vomit Comet(嘔吐彗星)”と呼びます。東儀さんはボーミット・コメット・サバイバーですよ」と健闘を称えた。

アプリkibo360°の完成度について、野口さんは宇宙ステーションの中を見るだけではなく「感じる」ことができると高く評価している。さらに「アメリカやロシアのモジュールに続く"広がり"がわかるとなおいいと思う。また、”きぼう”のエアロックから外に出てEVA(船外活動)を体験できたり、命綱をつけ忘れるとそのまま帰ってこられなくなるギミックをぜひ付けてほしい。”きぼう”は他のモジュールに比べて音が静かで居住性が高いので、サウンド機能もあれば」と次バージョンへの希望を述べた。

kibo360°はJAXAが6月1日にリリースしたスマートフォン・タブレットアプリ。iPhone、iPad、Androidに対応している。2012年、国際宇宙ステーションへの長期滞在を行った星出彰彦宇宙飛行士が船内ガイドを務める。”ロボットアーム制御ラック”や”水棲生物実験装置(AQH)”など「きぼう」船内の10の装置のうち3つを見て回る”ミッションモード”をクリアした後、船内を自由に見る”フリーモード”を楽しむことができる。星出彰彦宇宙飛行士が撮影した”きぼう”船窓からの地球の画像を見て、感想をFacebookに投稿する機能にも対応している。

《秋山 文野》

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