アメリカ航空宇宙局(NASA)は6月18日、人類の脅威である小惑星の発見と対応に重点を置いた「グランド・チャレンジ(地球規模の難題)」を発表した。
グランド・チャレンジは、政府機関・国際企業・各産業・学術機関・市民科学者を巻き込んだ大規模な取り組みで、NASAの小惑星ミッション(小惑星の向きを変える、あるいは人間を送り込む)とも深く関わることになる。
ロリ・ガーヴァーNASA副長官は「我々は地球の軌道近くを通過する(比較的大きな)小惑星の95%を発見してきたとはいえ、100%を目指す必要がある。グランド・チャレンジの重点は、小惑星の脅威を正しく理解し、潜在的な脅威にどう対処するかに置かれる」と述べた。
グランド・チャレンジには米国大統領行政府も関心を寄せている。トム・カリル科学技術政策局・技術革新部次長は「NASAの発表を高く評価している。なぜなら脅威となる小惑星を発見し、対応策を講じるためには関係者を総動員する必要があるからだ。民間の力が結集すれば、NASAの小惑星探知能力の向上にも一役買うはずだ」とコメントしている。
なお、NASAはグランド・チャレンジへの参画を広く呼び掛けるため、情報依頼書を同時リリースし、小惑星の位置特定・方向転換・探査という目標に向けたアイデアを募っている。