【INDYCAR 第10戦】ヒンチクリフ完勝、琢磨はポイント首位と99点差の“剣が峰”に

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マシントラブルで手痛いストップ(23位)。佐藤琢磨には辛いレースだった。写真:IndyCar
マシントラブルで手痛いストップ(23位)。佐藤琢磨には辛いレースだった。写真:IndyCar 全 12 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第10戦アイオワは現地23日に決勝日を迎え、ジェームス・ヒンチクリフが快勝、シーズン3勝目を挙げた。佐藤琢磨はマシントラブルでストップ(23位)となり、ポイントランクで首位と99点差の8位に後退した。

6月連戦の最後は、アイオワのショートオーバル戦。250周のうち通算226周をトップで周回し、ほぼ完全支配といえるかたちでヒンチクリフ(#27 Andretti Autosport/シボレー)が勝利をおさめた。これで今季3勝目。ただ、少し安定感を欠く面があるヒンチクリフは、チャンピオンシップポイントでは4位(首位と66点差)に甘んじている状況だ。「でも、まだ9レース残っているんだよ。やれることはたくさんあるさ」。目下の今季最多勝ドライバーが、後半戦での巻き返しを期す。「毎レース勝つことはできないが、今の自分たちなら、そのレース、そのレースにおける状況のなかで獲得可能な最上の結果を得ることができるはずだ」。自信深まるオーバル初優勝だったようである。

2位はライアン・ハンターレイ(#1)で、Andretti Autosportが1-2を達成。3~4位にはトニー・カナーン(#11 KV Racing Technology)とエド・カーペンター(#20 Ed Carpenter Racing)が入り、シボレー勢が4位までを独占した。オーバルではシボレー優位の状況が続くなか、ホンダ勢最上位は5位のグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing)。

レース形式を交えた特別なシステムの予選で7位を得た佐藤琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)だったが、エンジン交換のため、決勝は17番グリッドからのスタートに。前半戦は着実な印象の走りを展開し、本人も「マシンの調子は良く、ピット作業でポジションも稼げた。(後半は)エキサイティングなレースを戦えるものと期待を高めていた」のだが、「2度目のピットストップを終えた頃からスピードが乗らなくなってしまい、エンジンのマッピング変更など、いろいろとトライしたが症状は改善されなかった」という状況に陥る。そして160周を過ぎたあたりで「リタイアするしかなかった。ゴールまで走り切れなかったことが残念でならない」という無念の結果に終わった(順位は23位)。

琢磨はポイントランク8位に後退し、首位エリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)との点差は99にまで広がってしまった。その意味でも実に痛いマシントラブルだったが、7月7日決勝の第11戦ポコノから始まる後半9戦は、うち7戦がロード&市街地系のコース(ポコノと最終戦がオーバル)。オーバルではシボレーの上位独占が続いてきたが、この先は琢磨にも反撃の余地ありと信じたいところだ。ぎりぎり二桁の点差に留まっているあたりに“何か”を感じなくもない。ここがまさに“剣が峰”、早期の2勝目達成と王座争い本格復帰に期待したい。

■シリーズ上位選手(得点/使用エンジン)
H.カストロネベス(332/シボレー)
R.ハンターレイ(323/シボレー)
M.アンドレッティ(277/シボレー)
J.ヒンチクリフ(266/シボレー)
T.カナーン(253/シボレー)
S.パジェノー(241/ホンダ)
S.ディクソン(240/ホンダ)
佐藤琢磨(233/ホンダ)

《遠藤俊幸》

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