6月24日、NASAグレン研究センター(オハイオ州)の実験用イオンエンジンの累積動作時間が48,000時間を越え、宇宙空間推進装置の最長実験時間に到達した。
スラスタの開発はNEXT(NASA's Evolutionary Xenon Thruster)計画の一環。イオンエンジンのイオン発生装置の製造はグレン研究センター、イオン加速電極の製造はエアロジェット・ロケットダイン(カリフォルニア州)が担当した。
NEXT計画のイオンエンジンは、イオンを加速させる反動で推力を得る仕組みになっており、そのための電力は太陽光パネルによってまかなう。従来の化学エンジンと比較すると、エンジン性能は著しく向上し、燃料の節約が可能になる。イオンエンジンは、次世代の宇宙空間推進装置として、静止衛星や深宇宙探査機向けへの使用が期待されている。
なお、スラスタの実験は今月末で終了する。グレン研究センター・実験責任者のMichael Pattersonは「5年半相当の時間も作動したスラスタの寿命とパフォーマンスは限界に来ている」と語った。