【三菱 eKワゴン 試乗】後だしジャンケンで負けるわけにはいかない…岩貞るみこ

試乗記 国産車
三菱・eKワゴン
三菱・eKワゴン 全 8 枚 拡大写真

軽自動車の広さ競争とともに激化している燃費競争。その最後発、後だしジャンケンで負けるわけにはいかないと登場した『eKワゴン』は、当然トップ記録である。

昨今の軽自動車に求められる要素は多く、車内の広さ、装備の充実、さらには安全装置などなど、燃費の敵になるものばかりゆえに、この数値をたたき出すための、雑巾をしぼらんばかりの努力のほどがうかがえる。

そんなeKワゴンは、インテリアの質感のよさが目を引く。特にシートは、座面も背もたれも形状といい座り心地といい秀逸で、軽自動車らしからぬ(失礼)居心地のよさである。ドアの内側のあしらいなどもうまいし。このところの軽自動車は、安い=それなり、という方程式では通用せず、ちょっといいクルマから降りてくる世代を受け止めなければならないため、シートの座り心地やインテリアの雰囲気向上は手を抜けないところである。まったくもって軽自動車受難の時代…じゃなかった、開発人の腕の見せ所の時代である。

弱点は、CVTならではの負のイメージから脱し切れなかったところか。音と振動についてはがんばったというが、どうしても、アクセルを踏んでからエンジン回転数が上がり(音が高まり)、そこから加速、というCVTならではのタイムラグが気になる。このアクセル~加速を実感するまでの乗り心地については、各社それぞれ考えがあり表現方法も違うけれど、個人的にはもう少し、スムーズに加速して欲しい気がしないでもない。

とはいえ、サイドミラーも日焼けしないよう配慮してあるし、後部座席もスライドしてくれるからバッグを置いておいても運転席から手を伸ばせば届くし、ルームミラーにバックビューモニターがついていたりと、細かな安全性や使い勝手はとても研究され、女性視線の心配りがみられるところ。そういう部分はものすごーく評価しています。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る