【ホンダ アコードHV 試乗】真面目な仕上がりのハイブリッド専用車…島崎七生人

試乗記 国産車
ホンダ アコードHV
ホンダ アコードHV 全 8 枚 拡大写真

北米市場には投入済みだった第9世代の『アコード』。国内仕様は、JC08モード30.0km/リットルを打ち出すハイブリッド専用車としての登場となった。

セダンとして見ると、バッテリーがトランクスペースを喰っているのを除けば、キャビンが大きい真面目なパッケージングだ。フロントガラスは寝過ぎていないし、後席も広さ(と左右、前方の視界の明るさ)は申し分ない(座面クッションはもう少し“腰”があってもいい)。ナビ画面までつながる“メーターナセル”のウネったラインが少々気に障る程度。

外観スタイルも真面目だが、もう少し面白みがほしい。リトラや、初代USワゴンがあった頃までのアコードのように、ヨソの国産セダンとは次元の違う、ならではのハイセンスぶり、独創性をもっと感じたい。ハイブリッド車でお約束の“ブルー”をあしらったフロントも「こうじゃなければ駄目ですか?」と思ってしまう。

ハイブリッドの走りは、意欲的なエンジニアリングに支えられ、相当にスムース。一般道のEV状態で“走行用モーターに電力を供給するために発電用モーターを回そうとエンジンが始動する瞬間”に、ほんの僅かだけオーバーシュート気味にエンジンが目覚める感触があるのは、i-MMD固有の印象か。いずれにしろ、動力性能での不満はない。

ダンパーにこだわるなどしたそうだが、低速の乗り味は、もっとしっとりとした感触に振ってもいいように感じた。試乗時は折りからの大雨だったが、フロントガラスに当たる雨音も遮音された小ささなのを実感。車外騒音やロードノイズなどの侵入度合いの小ささも、ノイズを相殺するメカの効果もあって、自分で両耳を軽く塞いでいる程度の静けさが体感できる。

■5つ星評価
パッケージング:  ★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:   ★★★★★
フットワーク:   ★★★★
オススメ度:    ★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  3. リトラと決別した「ワイルド・キャット」、3代目ホンダ『プレリュード』【懐かしのカーカタログ】
  4. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  5. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る