三菱重工業は、長崎造船所で、世界最大のクルーズ客船会社である、カーニバルグループ向け大型クルーズ客船2隻の1番船の建造に着手したと発表した。
世界最先端の環境技術の粋を集めて建造する次世代クルーズ客船で、引き渡しはそれぞれ2015年3月、2016年3月の予定。
カーニバルの欧州法人であるコスタ・グループ傘下にあるアイーダ・クルーズから受注した。長崎造船所では、起工式を開催した。式典には、船主側からコスタ・グループのピエール・ルイジ・フォスキ会長、マイケル・タムCEO、アイーダ・クルーズのマイケル・ウンゲラー社長、三菱重工の大宮英明会長、原壽取締役常務執行役員船舶・海洋事業本部長が出席した。
今回起工したのは、コスタ・グループから受注した大型クルーズ客船2隻の1番船。12万4500総トン、約3300人乗りで、アイーダブランドの客船としては最大の船型。
今回のアイーダ向け客船は、カーニバル傘下のプリンセス・クルーズ向けに長崎造船所で建造した2隻のクルーズ客船、ダイヤモンド・プリンセスとサファイア・プリンセスに続くもの。
今回の大型クルーズ客船は、先進的な環境技術を多数採用するとともに、アイーダ独自のクルーズ体験を提供するための様々な仕様を織り込んだ。このうち、環境技術の一つとして、独自の革新的技術である「三菱空気潤滑システム(MALS)」を搭載する。船底から吹き出す泡の力で船体と水の抵抗を減らす技術で、7%の燃費向上を目指す。
三菱重工は、これまで培ってきた技術を結集して、今回の次世代クルーズ客船2隻の建造に取り組む方針で、今後も、先進の環境技術を搭載して、燃費削減と環境負荷低減を実現する大型客船の受注獲得に注力する。
カーニバルは、傘下に10のクルーズブランドを展開するクルーズ客船会社最大手。現在102隻のクルーズ客船を運航し、2016年までに7隻の新造船の就航を予定している。
コスタ・グループは、欧州最大のクルーズ会社。コスタ・クルーズ、アイーダ・クルーズ、イベロ・クルーズを傘下に持ち、現在27隻のクルーズ客船を運航し、2016年までに3隻の新造船を就航させる予定。