【プジョー 5008 試乗】フランス車の醍醐味味わえるオイル封入式ラバーブッシュの足回り…松下宏

試乗記 輸入車
プジョー5008
プジョー5008 全 20 枚 拡大写真
プジョー『5008』はミディアムサイズのミニバンで、比較的短めの全長とやや抑えた全高を特徴とする。ハイト系が主流を占める日本のミニバンとはやや趣が異なっている。

2~3列目のシートはそれぞれが独立式で床下収納が可能。すべて折りたたむと2500リッターを超えるフラットな空間を作れる。しかもこのシートアレンジがごく簡単な操作で力を必要としないのが良い。また格納式の割には2列目のシートはしっかり作られていて、座り心地も悪くない。

直列4気筒1.6リッターの直噴ターボ仕様エンジンは、115kW/240Nmのパワー&トルクを発生し、アイシンAW製の電子制御6速ATと組み合わされる。ミニバンらしいトルク重視のチューニングが施されている。

5008の車両重量はちょっと重くて1600kgに達している。でも実際に走らせてみると、動力性能的にはこれで十分といった印象だ。ターボの特性を生かしてわずか1400回転で最大トルクを発生するので、低速域から力強い余裕の走りが得られるからだ。

好感が持てたのは足回りというか乗り心地。オイル封入式のラバーブッシュが効果を発揮してフランス車らしい極めて快適な乗り心地を感じさせた。

このブッシュは5008で初めてサスペンションの取り付け部に採用されたもので、乗り心地と同時に優れた操縦安定性を感じさせた。山道のようにカーブの続く道路を走っても、快適かつ安定して走れた。とても好感の持てる足回りである。

セダンに比べたら高めの全高で着座位置も高めだから、カーブではそれなりに車体が傾くものの、その傾き方が穏やかでゆったりした感じなのが良い。安心して任せられる感じだ。

5008でもうひとつ注目されるのが価格設定。ベースグレードのプレミアムが300万円ちょうどで、充実装備のシエロが330万円なのだから、これは輸入車のミニバンとして相当な割安感がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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