【日産 スカイラインクーペ 試乗】操る実感を満喫できる希少な存在…松下宏

試乗記 国産車
日産 スカイラインクーペ
日産 スカイラインクーペ 全 17 枚 拡大写真

日産『スカイラインクーペ』のデザインはいかにもスポーティクーペのイメージだが、ボディサイズの大きさがスポーティさをスポイルしている側面もある。インテリアはタイト感のあるコクピット空間が作られていて、運転席に座ると、さあ運転しようという気持ちにさせられる。

アメリカ向けに作られたスカイラインクーペは、ボディがけっこう大きい。古くからのスカイラインを知っている者としては、この大きさではスカイラインらしくないと思うが、これも時代の流れである。

ボディサイズは大きいものの、運転感覚はドライバーとクルマの間に一体感が得られるものだ。アクセルを踏めば前に進み、ステアリングを切れば向きを変えるといったごく当たり前の動きが、文字通りドライバーの思いのままに実現される。

このダイレクト感というか、クルマを操っていることの実感は、とても気持ちの良いものとして感じられた。今どきこんな気分にさせてくれるクルマはそうあるものではない。

搭載されるV型6気筒3.7リッターのVQ37VHR型エンジンは245kW/363N・mのパワー&トルクを発生する。しかもVVEL機構を採用することなどによってスムーズかつパワフルに吹き上がっていく。7500回転から始まるレッドゾーンの手前まで一気に吹き上がるとともに、回転の上昇に合わせて力強いパワーを感じさせる。

前後異サイズの19インチタイヤを履く足回りはやや硬めの乗り味で、これもまた走りの実感につながるものでもある。

足回りの動きもシャープな切れ味がある。ハンドルをすっと切ると、クルマがぱっと曲がるような反応の良さがあり、しかも4WAS(4輪操だ機構)の効果によってレーンチェンジの安定性も高い。とても気持ち良く走れるクルマである。

今はスポーティな走りよりも環境に配慮した走りが求められる時代である。でも、スカイラインクーペの走りは、クルマが本来的に持つ楽しさを具現化している。こうしたクルマにだって一定以上の存在意義がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ワゴンは“古くて新しい”…今、面白い車とは?
  2. ゴミ回収箱に人が入ることは予見不能
  3. 「戻せばOK」は通用しない! 現代チューニングの合法ルールとは~カスタムHOW TO~
  4. ホンダ『モンキー』イベントに過去最高の550台超が集結!「自腹」でも続ける「二輪文化継承」への思い
  5. ハーレーダビッドソン、横浜で交通安全パレード開催へ 先頭ライダーは魔裟斗
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AI導入の現状と未来、開発にどう活かすか? エンジニアの声は?…TE Connectivityの独自リポートから見えてきたもの
  2. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  3. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  4. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  5. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
ランキングをもっと見る