ホンダの福尾幸一常務執行役員は7月16日、都内にある本社で報道陣と懇談し、ゼネラルモーターズ(GM)と次世代燃料電池システムを共同開発することについて、「2社でやることでよりゴールに近づけるはずだと確信して提携に至った」と述べた。
今回のGMとの提携契約の推進責任者を務めた福尾常務は、「従来の自動車、エンジンやハイブリッドなどについては自力でできる。自力でできる限りは二人三脚よりも一人で走った方が絶対早い、ゴールは近いと考えて、従来の技術は今のところ自分でできると思って進めている」と説明。
一方で「燃料電池車については状況が違う。一般のユーザーの方がガソリン車から乗り換えて選択してもらうという意味では走行距離であったり、水素の充填時間であったりという自動車側として求められる技術や、製造コストという点でも、まだそこまで現時点では達してない」と指摘。
その上で「技術的にコストも含めてハードルが従来(の技術)よりも相当高い。とくにコストは数のメリットというのもあり、1社でやるよりは2社の活動を合わせた方が、開発投資も、量産化する時にも、よりこなれたコストになるはず。1社でやるよりも2社の方が重い荷物は持ち上げられると、今回の提携を我々は理解している」と、共同開発に至った背景を語った。