【フィット プロトタイプ 試乗】“スポーツ”ハイブリッドの名に偽りなし…佐藤篤司

試乗記 国産車
ホンダ フィットハイブリッド(プロトタイプ)
ホンダ フィットハイブリッド(プロトタイプ) 全 30 枚 拡大写真

プロトタイプとは言え、すでに発売まで2ヶ月となれば“ほぼ完成形”。

この3代目『フィット』、ひと目見て、こいつも売れる! と確信できたのはスタイルを確認したときだ。従来の、どちらかと言えば“癒やし系”から一気の大変身ぶりで“アスリート男子系”とでも言おうか、シャープ、スポーティと言った言葉が似合うルックス。とくにスーパースポーツを彷彿とさせるフロントバンパーのデザインはかなりのインパクトを持つ。

そんな好ましい印象を維持しながら乗り込んだ室内のデザインは“まずまずの仕上がり”だ。コンパクトカーの概念を変える! と開発陣は自信を見せるが、エクステリアほどの衝撃を感じるほどではなかった。ただ、インパネを含めた室内全体の質感は確実に向上していてライバルをリードできているし、何より初代から維持されているスペース取りの上手さとその進化には感心させられる。センタータンクレイアウトの優位性が随所に現れ、フィット史上最大と言うラゲッジスペースは、重要なセールスポイントになる。

いよいよ試乗のスタートだ。エンジンは大きく分けて1.3リットル、1.5リットル、そして1.5リットルハイブリッドの3種。どのパワーソースも燃費ではクラスナンバー1狙いで、中でも注目はハイブリッド。現在、一人勝ち状態の『アクア』を軽く凌ぐ、36.4km/Lは凄い。

組み合わされるミッションはCVTではなく、7速のi-DCT(インテリジェント・デュアルクラッチ・トランスミッション)だ。より自然でダイレクトな加速感と省燃費を、と言うことで採用されたわけだが、そのフィーリングも悪くない。存分に振り回せるテストコースと言うこともあるが、軽快で楽しい走りを味わい、気がつくとニタニタしているのだ。スポーツハイブリッドを名乗るだけのことはある。ブレーキングのフィーリングに少しばかりの違和感もあったが、これはデビューまでの微調整で十分対応可能だろう。

これで戦略的な価格設定が出てきたら、コンパクトカークラスの勢力地図がまた変わるだろうが、もちろんライバルも黙ってはいない。ユーザーにとっては、フィットの登場で、ますます楽しくなりそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

佐藤篤司|自動車ライター
「週刊宝石」の自動車担当記者としてキャリアをスタート。以後、一般誌・新聞等を中心に自動車関連記事の編集・ライターとして活動。現在までに男性ライフスタイル誌、また夕刊紙などで自動車関連記事の企画執筆を行う。また女性ライフスタイル誌でも車両コーディネイト等で携わっている。

《佐藤篤司》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トランプ関税に「ジタバタしない」姿勢のトヨタも、米国市場で7月1日から値上げ[新聞ウォッチ]
  2. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』が日本導入…6月の新型車ランキング
  3. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  4. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  5. 「クラシックmini」がレストモッドで蘇る! 限定生産で約1490万円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る