【スマート フォーツーEV 試乗】シティ・コミューターとしての使い方が一番…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
スマート電気自動車
スマート電気自動車 全 5 枚 拡大写真

適材適所。背伸びや無理は禁物である。そこへいくと、スマートのEVはまさに! と、思わず膝を打ってしまう。

EVの弱点は航続距離が短いことだ。そりゃ、バッテリーを大量積載すればいくらだって走れるけれど、そんな屁理屈を言っている場合ではない。ふつうの感覚でいけば、やっぱり短い。だからシティ・コミューターとしての使い方が一番である。

街中を、ちょこちょこと、しかも静かに駆け抜ける。都会の入り組んだ小路を颯爽と謳歌するのである。

でも都会なら都会で、リクエストがある。やっぱりかっこよくなくっちゃね。軽自動車に恨みがあるわけじゃないけれど、黄色いナンバープレートで都会の最先端の街角で胸を晴れるかというと、小心者で長いものに進んで巻かれる私の答えはノーだ。そこへいくと、このクルマ。まさにスマートなのである。やっぱりお洒落。ブランドの力は強い。

小さい。小回りがきく。駐車がしやすい。しかも静か。カーナビを設定するときも、アイドリング音が当然しないので、軒がつらなる道路幅の狭い住宅街でも気ぜわしく慌てることがない。航続距離が残り90kmと表示されても、半径20Kmでちょこまか走る分には、余裕の数字なのである。

二人乗りの小さなこのクルマは収納術も身に着けていて、トランクリッドを開くと内側に充電ケーブルが格納されている。荷物を積むときの邪魔にもならず、なんというかこう、お利口さんなのである。ちょっと価格が高いのが気になるけれど、都会といわず、最近、ガソリンスタンドが消滅しつつある地方エリアの足としても、活躍してもらいたいものである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
  5. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る