日立製作所は7月30日、2014年3月期第1四半期決算を発表した。それによると、売上高が2兆829億円(前年同期比1.8%減)、営業利益が554億円(同12.7%減)、純利益が107億円(同54.0%増)だった。
会見に臨んだ中村豊明副社長は「国内外で各事業の受注が改善傾向にある」と指摘し、営業利益については減益だったものの、「想定を200億円ほど上回った」と説明した。なかでも、自動車向けなどの高機能材料部門が大きく寄与し、営業利益が260億円と前年同期に比べて60億円も増加した。
こうしたことを踏まえ、上期(4~9月)の業績予想を売上高4兆3500億円から4兆4000億円、営業利益1300億円から1450億円、純利益100億円から150億円とそれぞれ上方修正した。
ただ、通期の業績見通しについては、売上高9兆2000億円、営業利益5000億円、純利益2100億円を据え置いた。これは、欧州、中国といった世界経済の動向や為替、原材料価格の変動など不透明要素が多いためだという。しかし、上期の業績が想定よりも上回ったことで、通期の営業利益が過去最高の5064億円(1991年3月期)を超える可能性が一段と高まったきたのは間違いない。
2000年代後半に巨額の赤字を計上した日立だが、15四半期連続で黒字となり、「安定して黒字を達成する体質を確立できた」と中村副社長は話し、会見中は終始笑顔を浮かべていた。