準天頂衛星システム、ビジネス利用促進のための協議会が発足

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準天頂衛星システム 初号機「みちびき」
準天頂衛星システム 初号機「みちびき」 全 3 枚 拡大写真
7月26日、国内で実用準天頂衛星システムの普及促進を行う「高精度衛星測位サービス利用促進協議会QBIC」の設立総会が開催され、東芝の取締役会長である西田厚聰氏を会長とするほか、企画・運営委員会や4つのワーキンググループなど協議会の体制が決定した。

米全地球測位衛星システムGPSに接続する準天頂衛星製システム(QZSS)は、2010年9月に初号機「みちびき」が打ち上げられた。2011年には閣議決定を受け、2010年代後半までに4機を整備することが決まっている。現在の予定では2017年から2号機以降の衛星を打ち上げ、2018年には24時間利用できるサービスを開始する予定だ。

中国ではベイドゥ、ヨーロッパではGalileoなど世界の測位衛星システム整備も同時に進んでいる。競合相手となるこれらの測位衛星システムに対して、準天頂衛星サービス開始時にアジア・太平洋地域ですぐにビジネス展開が可能になるよう環境整備を行うためにQBICは設立された。国内193社が参加し、企画運営委員長にはこれまで準天頂衛星関連の開発や情報発信を行ってきた衛星測位利用推進センター (SPAC)の中島務専務があたる。「海外展開」「利用環境」「標準化」「社会実証」4つのワーキンググループが設定され、議論の内容を取りまとめて2013年11月、2014年3月に政府への要望書を提出する予定だ。

設立総会のあいさつには、内閣府宇宙戦略室から西本淳哉室長が登壇。今後、測位衛星を利用した位置情報サービスの市場規模が全世界で56兆円に拡大するという2011年に欧州が発表した試算に触れ、市場拡大に合わせて準天頂衛星サービスの「『ロケットスタート』が大事」とした。

設立総会と同時に、QBIC諮問委員会に参加を表明しているソフトバンクモバイル、およびSPAC共同で開催する今秋10月の『種子島ランドマーク実証実験』も合わせて発表された。種子島全体を舞台に、2泊3日でモニター参加者300人による、準天頂衛星のサブメートル級補強信号、屋内測位信号の実証を行うもの。種子島のJAXAロケット打ち上げ関連設備やゲーム『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』関連地を巡る観光アプリを使って、高精度測位の実効性を検証する。

《秋山 文野》

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