【アウディ A6 ハイブリッド 試乗】システム合計180kW/480N・m、燃費と走りが高次元でバランス…松下宏

試乗記 輸入車
A6ハイブリッド
A6ハイブリッド 全 16 枚 拡大写真

ハイブリッドというと、トヨタやホンダなど日本の自動車メーカーの専売特許のような感じだったが、最近は欧米の自動車メーカーも次々にハイブリッド車を投入している。中でもアウディはハイブリッドに熱心なメーカーである。

『A6 ハイブリッド』はアウディ初のハイブリッド車で、ボディは4ドアセダンのみ、駆動方式もクワトロではなくFFのみという設定。内外装の仕様などは基本的にA6のもの。外観はエンブレム、内装は専用メーターなどがハイブリッド車の特徴となる部分だ。

搭載エンジンは直列4気筒2.0リッターのTFSI(直噴ターボ)仕様で155kW/350N・mを発生する。これに40kW/210N・mの電気モーターを組み合わせてシステム合計では180kW/480N・mを発生する。

変速機は8速のティプトロニックATで、トルクコンバーターの代わりに電気モーターとクラッチが一体になったハイブリッド・ユニットが前輪を駆動する。

ハイブリッド用の電池は1.3kW/hの容量でプリウスと同じながら、電気を出し入れする効率に優れたリチウムイオン電池を搭載する。電池と制御系を搭載するためにトランクルーム内に出っ張りがてき、荷物の積載にやや制約が出ている。

発進はEVモードで滑らかに走り出す。EVモードを選択すると、時速60kmまでの速度なら最長で3kmまでをエンジンを使わずに走れる。アクセルを踏み込めば必要に応じてエンジンが始動し、ハイブリッド車としての走行を始める。条件によってはモーターだけでも時速100kmに達する走りが得られるという。

高速クルージングに入ってアクセルを緩めると、駆動系を切り離すコーティングモードに入って、ますます静かで滑らかな走りになる。追い越し加速などでアクセルを踏み込めば、けっこう鋭い加速を見せる。一般公道で使うには十分すぎる実力である。

走行モードが切り換わっても特にショックがあるわけではないので、運転していても分からないくらい。メーターパネル内のモニターを見ているから分かるだけのことで、それくらい滑らかに走行モードが切り換わる。

カタログ上のJC08モード燃費は13.8km/リットルで、日本のハイブリッド車に比べると大した数字ではないが、このクラスのラグジュアリーセダンとしてはまずまず良い数字である。

A6ハイブリッドの価格は690万円。2.8FSIクワトロに対して80万円高の設定だ。FFと4WDという違いもあるが、A6の有力な選択肢のひとつだと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  2. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  3. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  4. アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
  5. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  6. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  7. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  8. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  9. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  10. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
ランキングをもっと見る