ISS「きぼう」日本実験棟、宇宙での生殖細胞保存による影響を調査

宇宙 科学
JAXA、きぼう日本実験棟で「ほ乳類の繁殖における宇宙環境の影響(スペースパップ)」の実験を開始
JAXA、きぼう日本実験棟で「ほ乳類の繁殖における宇宙環境の影響(スペースパップ)」の実験を開始 全 1 枚 拡大写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で、生命科学分野「ほ乳類の繁殖における宇宙環境の影響(スペースパップ)」の実験を開始したと発表した。

実験は、ISSに、凍結乾燥させたマウスの精子を打ち上げて、ISSで長期間冷凍保存し、その後、地上に戻して顕微授精(顕微鏡下で精子を卵子内へ注入する)する。そして宇宙保存精子による受精率、放射線の影響、DNA損傷(修復)率、初期発生の正常性、最も重要な産仔の出産率(子どもが産まれる率)を調べるもの。

実験は、人類の長期的な宇宙滞在による影響を把握する基礎データを得るとともに、宇宙での生殖細胞の保存が可能であることを検証、宇宙空間や月面など厳しい環境下、遺伝資源の究極的な保存手法としての可能性を探る。

実験の試料であるマウス凍結乾燥精子を入れたサンプルケースは、日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)に搭載され、8月4日に種子島宇宙センターからの打ち上げ後、8月10日午後10時43分に「きぼう」日本実験棟船内実験室にある冷凍冷蔵庫の冷凍区画に、カレン・ナイバーグ宇宙飛行士により保管された。

実験用に、合計3セットのサンプルケースを打ち上げた。今後、2年の間に経時的な変化を調べるために、1セットずつ3回に分けて回収する計画。最初の回収は、米国のドラゴン補給船運用3号機(SpaceX-3)を使用する予定。

今回の実験テーマは「きぼう」船内実験室第2期利用に向けた候補テーマ募集(2009年度実施)に若山照彦山梨大学教授が代表提案者として応募し、選定されたもの。

《レスポンス編集部》

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