クリスマス島沖で難民船転覆

エマージング・マーケット オセアニア

5人が溺死のおそれ

 8月20日未明、クリスマス島から200kmほどの海域で難民船が転覆し、救難信号を受信したオーストラリア海事安全局(AMSA)が海軍艦船HMASパラマッタと税関国境警備部の航空機を現場海域に派遣した。パラマッタが救助作業を行い、106人を救助した。しかし、生存者の証言から最高5人が行方不明のままになっている。海事局の声明は、「遭難海域で生存者または遺体を徹底捜索したがそれ以上は見つからなかった。5人は船に閉じ込められたまま沈んだのかも知れない」と述べており、捜索は打ち切られた。106人の国籍などはまだ不明だが、パラマッタがクリスマス島に移送し、健康診断、身元調査、セキュリティ・チェックを行い、その後はパプア・ニューギニアの難民収容所に送ることになっている。

 この日、地域13か国の代表がインドネシアに集まり、「人間密輸業者壊滅」特別会議を開いた。会議の決定事項は「ジャカルタ宣言」と名付けられ、難民希望者の移動を阻止する様々な対策をリストアップしているが、拘束力はない。この会議にトニー・バーク移民相も出席していたが、「豪PNG協定で難民の動きを阻止できない」と認めている。

 少なくとも、フェアファクス・メディアのインタビューを受けた保守連合のマルコム・タンブル影の通信相は、「私たちの難民政策はどちらも苛酷で厳しいものだ」と認めるだけの誠実さがあるようだ。タンブル氏は、「保守連合の政策は厳しい。それは事実だ。難民希望者や人間密輸に対する政策はすべて現実的に厳しく、苛酷だ。しかし、問題は現状が苛酷だということだ。人々が中東について言っていることがそのままあてはまる。悪い選択肢には事欠かないということだ。できるだけ苛酷でなく、できるだけ効果的で、しかもできるだけ人間密輸業者の商売を打撃する方策を考えなければならない」と語っている。

 8月19日には3隻の難民船が拿捕された。(NP)

《 Nichigo Press 》

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