【SUPER GT 第6戦】波乱があったように見えて“完勝”、セルモSC430がGT500今季初優勝

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GT500クラスでポール・トゥ・ウインのZENT CERUMO SC430。
GT500クラスでポール・トゥ・ウインのZENT CERUMO SC430。 全 12 枚 拡大写真

SUPER GT第6戦は9月8日、静岡県・富士スピードウェイで決勝日を迎えた。

GT500クラスを制したのはポール発進の#38 ZENT CERUMO SC430、立川祐路&平手晃平が待望の今季初優勝を飾った。

この日の富士の空模様は、実に微妙。朝のフリー走行はウエットコンディションだったが、午後2時のフォーメーションラップ開始時点では「ほぼ晴れ」に。ところがレースが始まってみると曇りに転じ、中盤以降は時折、雨まで混じるという難解なコンディション推移となったのである。

さらには、66周レースの3分の1を経過する頃に発生したアクシデントに対するセーフティカー導入が、展開のアヤをつくった。「ひとりあたりの運転距離は当初のレース距離の3分の2まで」というルール的にドンピシャのタイミングであり、ピットオープン後、多くのマシンがルーティン作業のため一斉にピットレーンを目指した。ここでの順位交錯により、首位だった#38 SC430は作業をそつなくこなしたにもかかわらず、順位を下げることとなったのである。

結果的にコースに留まることを選択したかたちのマシンが首位に立つなどもしたが、一連のセーフティカーのアヤも、そしてその後の気まぐれな雨も、#38 SC430の勝利を阻む要因にはなり得なかった。いろいろあったようには見えたものの、セーフティカー導入時に平手からステアリングを引き継いでいた立川が42周終了のストレートで首位を奪還、終わってみれば#38 SC430の完勝と言える一戦だったのである。第2戦富士での2位以降、3戦連続無得点だった彼らが波乱要素をものともせずに快走し、今季初優勝を飾った。

「マシンの調子はいつも良かったのに、不運もあったりして結果を出せなかった。それにめげずにきちんと仕事をしてくれたチームクルー、そして(車両開発を受け持つ)TRD、レクサスに感謝ですね」(立川)。これで前戦終了時には絶望視しかけていたチャンピオン争いに復活、首位とは3ポイント差のランク4位まで上がることもできた。「ここ3戦はフラストレーションも溜まりましたが、ここから全部勝つつもりでいきたい」(平手)。立川とチームにとっては8年ぶり、平手にとっては初となるGT500王座に向けて、見事に再起を果たしたセルモ陣営。次戦以降の戦いぶりにも注目である。

決勝2位はホンダの#17 KEIHIN HSV-010(塚越広大&金石年弘)。3~4位には#37 KeePer TOM’S SC430(伊藤大輔&アンドレア・カルダレッリ)、#6 ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也&国本雄資)とレクサス勢が入り、ここまでがすべてブリヂストンタイヤユーザーだった。ミシュラン最上位は5位の#18 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴&フレデリック・マコヴィッキィ)。また、ニッサン勢最上位は6位の#12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生&ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/ブリヂストン)だった。

これでGT500はランク上位が6点差に6組という大混戦状態(下記参照)。首位から15点差圏内には参戦15組中11組が入るという状況でもある。

■GT500ドライバーズポイント上位
#18 HSV(山本&マコヴィッキィ)46点
#12 GT-R(松田&オリベイラ)46点
#23 GT-R(柳田真孝&R.クインタレッリ)44点
#38 SC430(立川&平手)43点
#17 HSV(塚越&金石)41点
#37 SC430(伊藤&カルダレッリ)40点

シリーズはいよいよ残り2戦。チャンピオン争い佳境となる第7戦は、10月5~6日に大分県のオートポリスで開催される。

《遠藤俊幸》

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