【日産360】リーフ 米国販売が示す、日米EV販売の根本的な違い

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日産 リーフ(日産360)
日産 リーフ(日産360) 全 6 枚 拡大写真

日産自動車は、国際取材会「日産360」で電気自動車についてのプレゼンテーションを行った。現在『リーフ』は全世界でEV販売数トップとなる7万5000台以上を販売。その数字はこれまでに販売されたEVの約半数を占める。CO2削減量は1万5000トンを記録した。

北米日産の発表によると2013年7月のリーフ米国販売台数は1864台。前年実績に対して4.7倍と、6か月連続で前年実績を上回った。カリフォルニア州では全米でも特にリーフの普及率が高い。

マイナーチェンジした2013年モデルで販売価格が引き下げられたことも要因の一つだが、大きな理由は政策的なバックアップと、交通環境上のメリットだ。EVには連邦の補助金7500ドルに加え、州独自の補助金2500ドルも与えられるという。また、カリフォルニア州を始めとしたいくつかの州では、道路にカープールレーンと呼ばれる優先車線が設けられている。ガソリン車やハイブリッド車では2人以上乗車していないと走行できないが、EVでは1人だけでも通行可能だ。

商品企画本部の阿部徹氏は「アメリカだけでなくEV普及率の高いノルウェーでも、バスレーンを通行できるというメリットがある。通勤時間を短縮できるというアドバンテージは、EVを購入する大きな動機の一つだ」と話した。

インフラは日本国内の方が整っているようだが、「急速充電器の普及は日本ほど進んでいない。しかし、戸建てや複数車両保有するユーザーが多いので自宅や会社の駐車場に普通充電器があれば、通勤で使用する分にはそれで事足りてしまう。また、例えばGoogleのように広い敷地内をEVで移動しているという企業もある」(阿部氏)という。

阿部氏は今後の課題について「基本的なことだが、複数台保有の難しい日本では航続距離の長い、一台で安心して乗れるEVが特に必要とされている。車体の大きさを変えることなく、あくまでも今のリーフの大きさでバッテリー改良か積み増しを進めていきたい。また、航続距離がそれほど長くないものはコストを下げ、長いものはそちらを優先するなど、選択肢を増やすことも検討している」と述べた。

《吉田 瑶子》

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