気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年9月25日付
●ビッグ3復活鮮明「リーマン前」水準回復、クライスラー上場申請(読売・9面)
●トヨタ、シェア2位、日本勢に追い風(読売・9面)
●デザインや調達、ダイハツ強化、インドネシアで生産首位 (朝日・9面)
●JR北に改善命令へ、国交省、監査、異例20人態勢 (毎日・1面)
●屋久島、電気自動車倍増へ、水力発電で電力まかなう、鹿児島県が購入助成 (東京・29面)
●集団登校事故、猛スピード車7メートル飛ぶ?京都・八幡(東京・31面)
●車生産、一転増加へ、今年度の国内、景気回復で25万台上積み(日経・1面)
ひとくちコメント
「あの…」と、言ったら失礼かもしれないが、リーマン危機後の2009年に経営破たんした米ビッグスリーの一角、クライスラーが、米証券取引委員会(SEC)に株式の再上場を申請したという。
経営破たん後は、イタリアの自動車大手フィアットの傘下で再建を加速。SUVの「ジープ」などの販売が好調で、今ではクライスラーが、フィアットの稼ぎ頭になっているそうだ。
きょうの読売は「ビッグ3復活鮮明」とのタイトルで経済面のトップ記事。「上場が実現すれば、2010年に再上場したゼネラル・モーターズ(GM)を含め、米自動車大手3社がすべて株式上場することになる」と伝えている。
ただ、クライスラーの再上場申請にクライスラー株58.5%を保有し、完全子会社化を狙うフィアットの心境は複雑だ。読売によれば「完全子会社化が実現すれば、フィアットはクライスラーの稼いだお金を設備投資に使うほか、クライスラーとフィアットで別々に資金調達する無駄をなくし効率化を図る素こともできる」とみている。
一方、日経は「フィアット苦渋の選択」として、「描いていたクライスラーとの経営統合が遠のき、新興国市場の開拓や提携戦略にも微妙な狂いが生じかねない」と指摘。さらに、「フィアットが中堅クラスとの提携を急ぐ可能性もある」とも報じている。
日本車メーカーでは、スズキとマツダが技術面での業務提携を結んでおり、クライスラーの再上場をきっかけに、今後は両社が “台風の目”になることも考えられる。