【ポルシェ 911ターボ 試乗】途方も無い速さ…河村康彦

試乗記 輸入車
ポルシェ 911ターボS(フランクフルトモーターショー13)
ポルシェ 911ターボS(フランクフルトモーターショー13) 全 6 枚 拡大写真

4WDに4WS、さらには“アダプティブ・エアロダイナミクス”を名乗る前後の可動式スポイラーも新採用…と、「今年でデビューから半世紀」が謳われる『911』シリーズ。

その中にあっても、最も“テクノロジー・ショーケース”的なスタンスの強いモデルが、先日開催のフランクフルトショーで初めて一般公開された、最新の991型911ターボだ。ベースグレードとSグレードの2タイプが同時のリリース。が、今や後者の方が代表格の印象が強い。

前者ではオプション扱いのアクティブ・スタビライザーやセラミック・コンポジット・ブレーキ、フルLEDヘッドライトなどが、Sグレードには標準装備。そしてそれは、911の中でもターボ・モデルに興味を示す「“一番”が良い!」という人ならば、きっと欲しくなるであろうアイテムに違いないからだ。

というわけで、本国ドイツで開催された国際試乗会で乗った新型ターボは、とてつもなく速かった。特に、強化型ピストンなどを準備の上でブースト圧アップなどを図り、ベースグレード比40psが上乗せされた心臓を積むSグレードは「途方も無い速さ」だ。

そして、そうしたこのモデルでの特に価値ある部分は、そんな速さが“鉄板”とも実感出来る際立つ安定性の下に成立している事。しかも、それが決してハンドリングを犠牲にして成り立っているわけではないのがまた凄い。このあたりは、まさに新機軸の4WSメカがバッチリ効いてもいる部分なのだろう。

かくして「大地にガッシリと根っこを食い込ませたような速さ」というテイストが、やはりGT3とはまるで違う。どちらも“とびきり速い911”だが、「サーキットでの俊敏性こそ命」というGT3に対して、こちらは走りのシチュエーションを問わない“オールマイティな速さ”こそが印象に残るのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ『ケイマンS』、スマート『フォーツー』、そしてVW『ルポGTI』(ただしドイツ置き去り)。

《河村康彦》

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