日産の自律走行コンセプトはドライビングプレジャーと両立する

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自律走行可能なリーフ:外観はほぼノーマル
自律走行可能なリーフ:外観はほぼノーマル 全 9 枚 拡大写真

26日、日産自動車は自動運転が可能な高度運転支援技術を搭載したリーフについて、路上実証実験に向け登録ナンバーを取得したことを発表した。

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同日の発表に先駆けて、日産はカリフォルニアで自律走行可能なリーフを初公開している。このとき、リーフには高速道路向けと市街地向けの2種類があった。今回ナンバーを取得したリーフは市街地向けのものだ。両者の違いはセンサーの数である。高速道路向けはカメラ1台、レーザーセンサー3台の構成だが、市街地向けはカメラ5台、レーザーセンサー5台となっている。また、ミリ波レーダーがフロント正面に設置されている。

もちろんGPSや各部制御のアクチュエーターやそれに付随するセンサーもあるが、自律走行の要となっているのが画像認識・解析を行うカメラと周辺をスキャンするレーザーセンサーだ。

開発に携わっている日産自動車 電子技術開発本部 IT&ITS開発部エキスパートリーダー 二見徹氏によれば、自律走行リーフの開発コンセプトは、安全・快適の延長にあるもので、決してドライビングプレジャーを損なうような管制制御的な自動運行技術(電車、船舶、航空機)ではないという。

そして最終的にはドライバーの意思や操作が制御をオーバーライドできるようになっている。このような設計思想の背景には法的な問題もあるが、ポイントは、人間の機能を機械に補完させることで、より安全に、より快適に、ということだ。たとえば、面倒な駐車や渋滞だけ車にまかせたり、高齢者でも免許を返上したり車を手放したりすることをなくせるかもしれない。

そのため、過度にITSインフラやGPS、あるいは特定の技術には依存しないように設計されている。たとえばグーグルの無人カーは、ルーフの高性能な3次元レーザースキャナーを搭載し、周辺状況の立体イメージとGPSデータによる地図情報とのマッピングを行いながら制御を行っている(周辺レーダーも装備)。リーフも5個のレーザー・レーダーによって周辺状況を把握しているが、5台のカメラの画像解析データも制御に大きくかかわっている。

グーグル方式は、地図情報とのマッチングがうまくいかないと制御ができなくなる可能性があるが、リーフの方式なら現場の状況にもアドホックな制御が期待できる。たとえば、震災被害地など建物の状況や道路の状況が、短時間で著しく変わっている場合などだ。

また、制御を多元的に行うことは、商品化を見据えたコスト戦略にもつながる。前述のグーグルカーのルーフのスキャナは1台で数百万円(高級車1台分)すると言われている。リーフの5個のカメラやレーザースキャナーは、それ自体特殊なものではない。

画像処理・認識およびスキャナーデータの解析は、リーフのトランクに搭載されたコンピュータ(サーバー5台分)が行う。二見氏によれば、コンピュータは基本的にスタンドアローンで機能するが、リアルタイム性を必要としない認識や判断の一部はクラウド連携も考えているという。また、GPSだけでなく、各種ITSインフラとの連携も視野に入っている。これらの技術は、ガソリン車にも適用可能だという。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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