BRZに学ぶ、新世代スポーツカー文化のあり方

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スバル・ドライビング・ディ(2013年9月28日、広島 TSタカタサーキット)
スバル・ドライビング・ディ(2013年9月28日、広島 TSタカタサーキット) 全 30 枚 拡大写真

9月28日、広島県のTSタカタサーキットにて、「スバル・ドライビング・デイ」が開催された。このイベントは、『BRZ』に乗りながら走りの楽しさと安全走行を体感することを目的に、全国各地で開催しているもの。

イベントは、BRZオーナーが参加し、サーキット走行を行なう「スクール形式」と、BRZ購入を検討する一般参加者による「体感試乗」の二本立て。イベントを通じてレーシングドライバーの佐々木孝太選手、井口卓人選手が参加し、参加者との同乗走行やトークショー等が行なわれた。

今回の目玉として会場には限定500台の BRZ tS が登場。スバルテクニカインターナショナル商品開発部の森宏志部長は、「こだわりをもってtSを作り込みました。BRZオーナーのみならず、こだわりを持ってクルマを楽しみたい方に乗っていただきたいですね。BRZオーナーの方々にはご意見をいただいて、今後の参考にもさせていただければと考えています」と話した。

今回は、佐々木孝太選手運転のもと、サーキットを走行するtSに同乗する機会も得られた。

新世代スポーツカー文化その1…こだわりを共有する

参加したBRZオーナーは約30人。家族やパートナーを連れ、それぞれに手を入れた個性豊かなBRZが会場に並んだ。オーナー間での情報交換も和やかに行なわれた。「ホイールのトレンドはどのようになっているか」、「センサー関連の外付けアクセサリの配置」など、それぞれの“好き”の形を共有した。

新世代スポーツカー文化その2…新規オーナー開拓

今回のイベントでは、サーキット走行初参加者も半数程度存在した。これは、BRZの存在が“走ることを楽しむ”垣根を低くし、新たなファン層を開拓したことを裏付けるもの。ただし、その分イベントでは事前注意も充分に行なわれた。イベントのモデレーターを務めたジャーナリストの河口まなぶ氏から参加者へ、安全走行の意識付けが徹底された。

河口氏を中心に行なわれた安全走行への意識付け。このなかで感じ取る事が出来たのは“楽しく走ること”の土台には、“安全”が存在するという運転時の基本姿勢だ。

サーキット初走行では特に安全に対する注意が必要。プロの目のもと、参加者はイベント全体で走りの楽しさを体感するとともに、安全の価値も体感できたに違いない。“楽しく走った”という感覚は、安全に終わって初めて味わえる。

新世代スポーツカー文化その3…運転技術を見直す

初サーキットという参加者が多いなか、サーキット走行の先導などを務めた井口選手は「参加者の皆さんの運転に、少し意見させていただくだけで、どんどんうまくなる。この伸びしろの大きさに驚きました」と感想を話した。

イベントに参加したBRZオーナーは、スマートなドライバーが多く、井口選手を唸らせた。これは、BRZオーナーに限らず、一般ドライバーが改めて運転を見直すと、よりレベルの高い運転が実現し、安全な交通流の実現へと繋がることを示唆している。

新世代スポーツカー文化…安全を土台に速さと巧さで成り立つ

“速く走る”ということのなかに“乱暴な運転”がイメージされるのは、一部の特異な部分の切り出しである。BRZや『86』が切り拓く21世紀のスポーツカー文化は、安全運転を土台にした“速さと巧さ”で成立する。

BRZの登場は、ドライバーの安全意識向上のみならず、一般市民の意識変化も促す。華やかなスポーツカーこそ、スマートな走行を徹底するという新しいスポーツカー文化は、自動車産業が成熟した日本でこそ、構築され得る新世代カルチャーだ。

スポーツカー=見た目も走行もスマートなクルマ。交通ルールを守り、一般の見本となるような運転技術を身につけた、こだわりのドライバーを育むBRZは、新しい文化の担い手といえる。

《土屋篤司》

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