【新聞ウォッチ】春闘に異変? 経団連がトヨタなど加盟企業に異例の「賃上げ要請」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年10月11日付

●経団連春闘賃上げ要請、米倉会長表明、政権に呼応 (読売・1面)

●超小型車貸し出し、日産。横浜市実証実験(読売・10面)

●東京―金沢「かがやき」「はくたか」北陸新幹線に4つの名前 (朝日・1面)

●ハンドル操作せず追いかける、高速道用、トヨタ開発 (朝日・10面)

●ユニクロ売上高1兆円超、8月期世界4位に、アジア事業好調(毎日・1面)

●「村上さん」誤配信、産経電子版(東京・3面)

●NEC,ビッグローブ売却(日経・1面)

●セダン型の燃料電池車、トヨタが試作公開、基幹部品小さく (日経・11面)

●日経広告賞、最優秀賞、オンワードとマツダ (日経・12面)

●三菱自、中国販売2.6倍、9月の新車、反日デモの反動 (日経・12面)

ひとくちコメント

来年の春闘では前代未聞の不思議な交渉が行われるかもしれない。例えば、企業の経営者が「大幅なベースアップを提示したい」と伝えると、組合側からは「そんなに賃上げをすれば、人件費が増えて会社の業績が悪化するので抑えてほしい」というようなやり取りだって考えられる。

それは極端としても、経団連の米倉弘昌会長が、来年の春闘で経営側の指針となる「経営労働政策委員会」の報告書(経労委報告)に、加盟企業に賃上げを呼びかける方針を盛り込む考えを表明したという。

きょうの読売、産経などが1面準トップなどで「経団連賃上げ提唱、成長確保へ異例」(産経)などと、大きく取り上げている。経団連が加盟企業に賃上げを求めるのは2008年の春闘以来、6年ぶりとなるそうだ。

ただし、である。賃上げの具体的な内容が、一律に賃金を引き上げる「ベースアップ(ベア)」または、年齢や勤続年数に応じて賃金を上げる「定期昇給(定昇)」かは、明言せず、消費増税に伴う経済対策と「賃上げ」をセットにする安倍政権に対するリップサービスとの見方もある。

朝日は「賃上げの本音は」とのタイトルで「人材確保には必要」などの前向きな意見もある半面、「日本のものづくりを守るため、持続的競争力につながる判断を(各社に)期待したい」(トヨタ自動車・豊田章男社長),「とりあえず一時金から始めるものだ」(三菱ケミカルHD・小林喜光社長)と、個別企業からは慎重な声が目立つと伝えている。

政府や経団連がどんなに賃上げを提唱しても、それを決めるのは雇う側の各企業の経営者の判断である。雇われる側の社員たちも「賃上げ要求」を大きな声で叫ばなければ、現状維持のままで終わってしまうだろう。

《福田俊之》

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