【トヨタ カローラフィールダーHV 試乗】突っ込み所がなく悔しい…岩貞るみこ

試乗記 国産車
トヨタ カローラ フィールダー ハイブリッド
トヨタ カローラ フィールダー ハイブリッド 全 11 枚 拡大写真

『カローラ』はソツのないクルマである。100人が乗ったら99.9人が、なんの違和感も抵抗感もなく乗りやすいと感じるのではないだろうか。カローラが持つ、人になじむ腰の低さ。しかしそれは、ハイブリッドの登場で少しだけ様相が変わってくる。

エンジンをかけた瞬間に、視界に飛び込んでくるのは、インパネに仕組まれたハイブリッドならではの演出だ。クールな色使いで未来感をあおってくる。これだけで、なにか特別な、ちょっと上等なクルマに乗っている気分にさせられる。これまで庶民派をつらぬいてきたカローラが、三段くらい階段を駆け上がっちゃった感じで、運転席にいる自分もほんの少し、洗練されたように感じさせてくれる。

実はここが、開発者の狙いだったりして。いくら燃費がよくなったって、ハイブリッドの価格差をとりもどすには相当な年月&走行距離が必要になる。だったら、単純明快に、ハイブリッドを選んだことを楽しませなければ、人はついてこないだろう。そして、単純明快が大好きな私としては、あっさりとこのトリックにはまり、いや~、カローラのハイブリッド、ちょっといいじゃん?と思うのである。

とはいえ、乗り心地の親近感は健在で、特筆すべきはブレーキのタッチ感。ハイブリッドは、回生ブレーキの関係で違和感ばりばりになることが多いけれど、このクルマの場合は、違和感ほとんどなし。言われなければ気付かないくらいの、自然なタッチなのである。

フィールダーはその用途からして、ハイブリッドシステムを搭載することによるラゲッジスペースが気になるところだが、これは、ガソリンタンクを小さくすることでクリア。ノーマルエンジンと変わらない積載可能空間を確保とのこと。ワンタンクでの航続距離は、燃費が上がった分でカバーしていることになる。

なんか本当にソツがないカローラ。あまりにいい子すぎて、どこか突っ込んでやりたいのだが、突っ込めないのが、また悔しい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. メルセデスベンツ『ウニモグ』、低床仕様登場…荷台高1200mm以下で作業効率向上
  4. トヨタ RAV4 新型の競合は? 価格帯別にライバルを予想する
  5. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る